2012年12月29日土曜日

Celebration Dayレビュー

今年度中に記事を間に合わせねば!!遅くなってごめんなさい。今回は以前予告していたLed Zeppelinの2007年たった一度の再結成ライブを収録した作品Celebration Dayのレビューです。


「Celebration Day(邦題:祭典の日)」  2CD+2DVD(デラックスエディション)

Set list
1, Good Times Bad Times
2, Ramble On
3, Black Dog
4, In My Time of Dying
5, For Your Life
6, Trampled Under Foot
7, Nobody's Fault But Mine
8, No Quarter
9, Since I've Been Loving You
10, Dazed And Confused
11, Stairway To Heaven
12, The Song Remains The Same
13, Misty Mountain Hop
14, Kashmir
15, Whole Lotta Love
16, Rock And Roll


まずは装丁のほうから。写真にもあるようにBOX仕様となっています。中はパタパタパタと折っていく感じになっています。大きさは、プラケースのCDよりもちょいと大きいくらい。厚みは1枚用のCDプラケース2枚半くらいですね(ちょっと分かりづらいか・・・笑)。正直予約した時に予想していたよりも小さかったですww
ジャケのデザインが微妙との意見もあるようですが、作りは丁寧です。日本盤は和訳や帯もついているので言う事なしでしょう!ちなみに自分はタワレコで予約購入したのですが、一緒に非売品のポストカード(絵柄はジャケと同じ)と3000円以上購入時に1000円割引出来るクーポンをもらいました。このクーポン12/31が有効期限なので早く使いたいのですが、金銭事情からなかなか使う事が出来ていません。このままだと無駄になってしまう・・・涙

さて、肝心の中身です!!まずはCDの方から!やっぱオフィシャルは音質素晴らしいですね!現代技術のおかげか、音圧や各楽器のバランスも良好です。
そして気になる演奏ですが、まず世間で一番話題になっていたドラムについて。父ボンゾよりもやや丁寧な印象を受けますが(というお父さんが異次元w)、息子のジェイソン・ボーナムかなり頑張っていて好印象です!一曲目のGood Times Bad Timesではドラムを叩きながらコーラスもばっちり合わせています。その他のドラムが目立つ曲(The Song Remains The Sameなど)でもパワフルかつ正確なドラミングを見せています。ZEPブートの中でも最も有名であろうListen To, This Eddieの日のボンゾのようなマジキチバカテク演奏ではないですが、安心して聴く事が来ました。本番直前まで緊張のあまり楽屋で吐きまくっていたということですが、親父の後を立派に継いでいたと思います。感動しました!

ジミー・ペイジのギターも、昔のZEP全盛期のような長いジャムの展開に持っていって弾きまくるというよりは、スタジオ版に割と忠実な演奏という印象です。ライブ最後の3曲などでは特に弾きまくってますが、あのジミー・ペイジなのだから、もっと弾きまくってくれても・・・という欲求は正直あります笑 しかしさすがはジミー、その代わりといってはなんですが、ギターの音作りがかなり良いです。かなり洗練されて研ぎすまされた音になっています。荒々しいギターサウンドでありながらも、音の粒が綺麗に整っている印象を受けました。

そして、もう一つ気になっていたのがロバート・プラントのボーカル。さすがに数十年前と同じようなボーカルとはいかず、また一部の曲はキーを変えて歌っていますが、あの力強いボーカルは健在。個人的にはジェイソン・ボーナムのドラムよりもプラントのボーカルの方が最初不安に思っていたので、これはほっと一安心。相当リハーサルしたんだろうなぁという円熟味のある声です。同じパワフルな声としてはThe Whoのロジャー・ダルトリーなどがいますが、最近の彼よりも相当声が出てますね。2007年当時59歳だったようですが、加齢による声の衰えはどうしても避けられないものですし(ZEPのようなサウンドのバンドのボーカルだったらなおさら)、そういうのを考慮して考えるとやはり凄い人だなと再確認。

ジョンジーに関しては、やはり彼のベースなしではZEPサウンドは全く成り立たないということを改めて思い知らされました。派手なステージアクションをする人ではないですが、安定感はバンドの中でダントツ。全メンバーの中で唯一何の不安もなく見ていられました笑 彼がプラントのボーカルとジミーのギターをしっかり繋ぎ止めているからこそ、緊張感を持ちながらも崩壊しない、ベストなサウンドを保てるのでしょうね。


お次はDVDについて。まずは本編を収録したディスクから。まず、カメラワークがとても良いです。少なすぎず、かといって多すぎる事もなく、適度なショット数ですね。サウンドに関しても言う事なし。Blu-ray版もありますが、このDVD版もかなりの高画質&高音質なので安心です。そして特典DVDについてですが、これがおもしろい。この再結成ライブの為のスタジオリハーサルを丸々収録しているのですが、演奏者全員をカメラフレームに収めたワンカメラで録画されております。そのためカメラの切り替わりなどは一切なく、記録としての意味合いが非常に強い映像です。しかしそこで弾かれているフレーズなどが本番と違っていたりして楽しめる箇所が多いので、非常に興味深い映像と言えます。それになんだか関係者映像を覗き見ている感じで、マニアにはたまらないのではないでしょうか?音声も高音質ですし、これは楽しめました。こういう特典嫌いじゃないですね^^


というわけで、自分にとっては十二分に満足できた素晴らしい作品であると感じました。もうおそらく今後バンドとしての活動はないであろうLed Zeppelinの伝説の一夜を記録しているということで、必携です!!!!超オススメ!!!

2012年12月12日水曜日

Bobby Keys

ツェッペリンのCelebration Dayの詳細レビューはしばしお待ちを。時期を逸しないうちに今度すぐ上げます。
今回は場繋ぎ感もありますが、Bobby Keysが1971年にリリースしたたった1枚のソロアルバムについて。


「Bobby Keys」  リリース:1971年

1, Steal From A King
2, Smokefoot
3, Bootleg
4, Altar Rock
5, Key West
6, Command Performance
7, Crispy Duck
8, Sand And Foam


ストーンズなどでおなじみ、名サックス奏者Bobby Keysが1971年にリリースした唯一のソロアルバムがこれです。長い間廃盤状態で、ブートレグでLPお年の音源が出回っていたりしていたのですが、今年になってついに初CD化されたシロモノであります。
ストーンズを語る上で外せない人物ですが、このソロアルバムに参加したミュージシャンもヤバいくらい豪華です。ぱっと調べただけでもエリック・クラプトンにジャック・ブルース、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター、デイブ・メイスン、ニッキー・ホプキンス、ジム・プライス、カール・レイドル、フェリックス・パッパラルディ、ジム・ゴードンなどなど・・・。ロックの教科書にのるような方々のオンパレード状態ですwww

そんな豪華なミュージシャンと作ったソロアルバム、悪い訳がない!一曲目から勢いのある演奏を聴かせてくれます。全編インストで一気に聴き倒せます。スワンプ風味なものからジャズ、さらにはファンク調までかっこいいの一言。普段ストーンズで吹いている時とはまた違うサウンドが新鮮ですね。バンドサウンドがイカしてます!

限定生産との噂もあるようですが、本当にオススメです!!こういうの聴くとスカっとするよね!!!^^

2012年11月21日水曜日

Celebration Day / Led Zeppelin

一日早いですが、フラゲしてきました!!!

いやぁ、全世界の音楽ファン待望。2007年に行われた、たった一夜の再結成ライブを完全収録。僕は2CD&2DVDのデラックスエディションを購入しました。やっぱどうせならデラックスエディションでしょww

というわけで取り急ぎのご報告でした。とりあえずDVD鑑賞してますが、鳥肌もんです。最高!!!!
詳しいレビューはまた近いうちにのせます。たまらんぜ!!!



2012年11月1日木曜日

Mile High City

いやぁ、よくないですなぁ・・・。10月はほとんどブログの更新が出来ませんでした。忙しさを理由にしていますがダメですね。申し訳ないです・・・。
久々となりました今回は、Eric Claptonの1975年デンヴァー公演を収録したブートになります。


「Mile High City」  2CD  録音:SBD/S

Disc 1
1, Stormy Monday
2, Knockin' On The Heaven's Door
3, Badge
4, Can't Find My Way Home
5, Carnival

Disc 2
1, Key To The Highway
2, Teach Me To Be Your Woman
3, Blues Power
4, Little Wing
5, Tell The Truth


いやあ、先日BFを巡ってましたらこんなブツを手に入れました。日本語帯付きで、厚紙コーティング仕様のジャケット、さらにはプレスCDということで、装丁は完璧と言っていいでしょう。このブートをリリースしたのは、以前こちらにご紹介した1987年プロヴィデンス公演を収録したブートと同じTinker Bellというレーベルです。非常に良い仕事をしていると思います。お値段もお手頃だしね^^

肝心の内容についてですが、当時としてはかなりの高音質サウンドボード音源です。オーディエンスの歓声が少し小さく感じるかもしれませんが、そのぶん、バンドの演奏は非常に大きい音で収録されており迫力があります。キーボードの出力バランスも良い感じ。クラプトン自身のギターも調子が良く、BadgeやCarnival、Blues Powerなどではかなり気合いの入った演奏を聴く事が出来ます。


しかし、収録曲数を見てもらえば分かる通り、当日のセトリ全曲を収録している訳ではないようです。また、たしかにかなりの高音質サウンドボード音源ではあるのですが、ほぼ全編に渡って、かすかにシュルシュルと鳴っているヒスノイズのようなものが聴き取れます。以前ご紹介したPink Floydの1970・1971年のBBC音源を収録したブート(Ayanamiレーベル)でも同じようなノイズが確認されましたが、これって一回気づいてしまうと聴くたびに結構耳につくんですよねw
フロイドでも後にそのノイズが無くなったリマスター盤がリリースされましたから、ぜひクラプトンのこの音源もそのような改訂盤が出てくる事を願ってます。

ちなみにBlind Faith時代のCan't Find My Way Homeがセトリに組み込まれているのも興味深いです。この曲では、クラプトン自身はボーカルを取らずに演奏に徹し、歌は女性のボーカリストに任せていますが、うーん、このアレンジ正直好きではないですねぇ・・・。あくまで個人的な考えですが、やっぱこの曲はスティーヴ・ウィンウッドじゃなきゃダメだなと。優しい曲調なので女性ボーカルだと合いやすいというのはあるのでしょうけど、なんかぱっとしないんですよね。面白みに欠けるというか。この日は2曲目にBob Dylanのカバー「Knockin' On The Heaven's Door」も披露していますが、アレンジの出来は雲泥の差があるように思えてなりません。クラプトンのこの曲のカバーは有名ですしね。


というわけで個人的に突っ込みどころはいくつかあるライブなのですが、しっかり押さえるところは押さえているブートだと思いますし、高音質サウンドボード音源で当時のクラプトンの演奏を楽しめるのはデカいと思います。ブート自体の出来も冒頭で述べた通り非常に丁寧なので、持っていて損はないと思いますよ。個人的おすすめトラックは、DIsc 1の2,3,5、Disc 2の1,3,4です。

2012年10月7日日曜日

In The Flesh

久々のブログ更新になります。申し訳ありません。大学も後期日程が始まり、再び忙しくなっていきそうです。
そんな近況ですが、本日は、Roger Watersのブートを一つご紹介。


「In The Flesh」  2CD  録音:AUD/A+

Disc 1
1, In The Flesh
2, The Thin Ice
3, Another Brick In The Wall, Part I
4, Mother
5, Get Your Filthy Hands Off My Desert
6, Southampton Dock
7, Pigs On The Wing. Part.1
8, Dogs
9, Welcome To The Machine
10, Wish You Are Here
11, Shine On You Crazy Diamond
12, Breathe
13, Time
14, Breathe (Reprise)
15, Great Gig In The Sky

Disc 2
1, Money
2, Every Strangers Eyes
3, The Powers That Be
4, What God Wants, Part I
5, Perfect Sense, Part I
6, It's A Miracle
7, Amused To Death
8, The Happiest Days Of Our Lives ~ Another Brick In The Wall, Part Ⅱ
9, Brain Damage
10, Eclipse
11, Comfortably Numb


1999年から2000年にかけて、突如Roger Watersは久々のツアーを行いました。ロジャーがツアーを行うのは実に1987年の「Radio K.A.O.S.」ツアー以来12年ぶり。ギルモア主導のフロイドとの裁判で事実上敗訴したことによって、権利関係上思うようにフロイドの曲を演奏できなかったり、ソロアルバムのセールスが散々な結果だった為にツアーも実施できなかったロジャーでしたが、ギルモア達とある程度和解したためでしょうか?1999年以降は、演奏する曲も含めてかなりの復活を見せます。


本ブートは、その1999年のライブから7月23日のミルウォーキー公演を収録したタイトルになります。このツアーはのちに「In The Flesh」(同じ名前でわかりにくい笑)というタイトルで2000年6月27日のオレゴン公演がオフィシャル発売されましたが、そのライブとは、セットリストやアレンジが大きく異なっているのがセールスポイントでしょう。例えば、1992年に発売された「死滅遊戯」の収録曲What God Wants, Part Iは、オフィシャルライブ盤では演奏されていませんが、本ブートでは収録されています。また、Pink Floyd時代の曲のでもTimeなどはオフィシャルライブ盤ではロジャーがボーカルを取っているものの、このブートでは、ギター担当のドイル・ブラムホールⅡ世が歌っています。他には、Great Gig In The Skyもオフィシャルライブ盤では収録されていませんね。これまたレアです。


このようにオフィシャルライブ盤の「In the Flesh」と同じツアーであっても、異なるアレンジが随所で味わえたりするので聴き所は多いブートですが、、逆に言うと「完全にアレンジが定まっていない」ということです。要所要所で、ミスが散見されます。上で述べたWhat God Wants, Part Iもギターが入りで音を外しちゃってますし、ロジャー本人もThe Happiest Days Of Our Lives ~ Another Brick In The Wall, Part Ⅱの流れでベースとボーカル両方とも一部音を外しちゃったりしてます。


音質に関しては、録音レベルが小さかった為かボリュームをいつもより大きくする必要があるものの、かなり良好なオーディエンス録音です。どの楽器も音が割れる事なく綺麗に収録されています。強いて言えば、もうちょっと低音がほしかったかな・・・笑


というわけで、まだツアー序盤で慣れていないバンドの感じが伝わってはきますが、2時間半近いライブを高音質オーディエンス録音&プレスCDで楽しめ、またオフィシャルライブ盤では聴く事が出来ない曲が収録されていることを考えれば、おすすめと言えます。ショップでもかなり安く投げ売りされてることが多いので、入手も容易でしょう。



2012年9月23日日曜日

Divine Providence

おひさしぶりです。サークルの合宿に行ってました。いやー、本当に心の底から楽しかった3泊4日でした笑
というわけで今日からまたブログ再開します。今回はEric Claptonのブートをご紹介。


「Divine Providence」  2CD  録音:SBD/S

Disc 1
1, Crossroads
2, White Room
3, I Shot The Sheriff
4, Hung Up On Your Love
5, Wonderful Tonight
6, Miss You
7, Same Old Blues

Disc 2
1, Tearing Us Apart
2, Holy Mother
3, Badge
4, Let It Rain
5, Cocaine
6, Layla
7, Further On Up The Road
8, Sunshine Of Your Love


ジャケがかなり面白いですねw
このブートは、1987年4月26日のプロヴィデンス公演を収録しています。このライブには、クラプトンのアルバムプロデュースも務めたフィル・コリンズがドラマーとして参加しています。この頃のコリンズは、クラプトンとの仕事の他に、1985年にイギリスとアメリカ両方で開催されたライブ・エイドになんと両方とも参加(イギリスでのパフォーマンス後、コンコルドに乗ってすぐさまアメリカに直行し、そっちでもライブをしたというww)するなど、「世界一忙しい男」と呼ばれた充実した時期だったようです。
そんな彼をドラムに迎えてるのですから、悪いライブになる訳がございません。クラプトン自身もいつも以上にギターが冴え渡ってます。弾きまくってますね〜。ベースのネーザン・イーストとの絡みもバッチリです。個人的にはSame Old Blues, Badge, Let It Rain, Cocaine, Laylaなどがオススメトラックですかねぇ。
1970年代のクラプトンと違って、80年代の彼はエフェクターを強めにかけてますが、これは聴き手の好みの問題でしょうか。僕自身はあまり気にはなりませんでした。


そしてなにより賞賛すべきなのは、その音質!!!このままオフィシャルリリースしても良いくらいの超高音質サウンドボード音源です!これはとにかく素晴らしい。キーボードやコーラスの音も分厚く、迫力があります。低音から高音まで出力レベルも問題ありません。最高のライブが最高の音質で聴ける、たまりませんなw


というわけでこのタイトル、セトリも名曲ばかりですし、超オススメです。ブート初心者の方にも自信を持ってすすめられます。ちなみに自分はこのブートをBFで新品1000円で買う事が出来ました(ネットで調べたら、通常価格は5000円ほどなのかな?)。最後の一枚だったのでラッキーでした。とはいえ廃盤にはなってないようで、まだまだ普通に買えると思います。日本語帯付きで、ジャケと共にコーティング仕様になってるので、豪華な感じもしますよwww

2012年9月14日金曜日

Rise & Shine

今日は再びPink Floydのブートでもいってみましょう。先日なかなか面白いブツを手に入れましたんで。


「Rise & Shine」  2CD-R  録音:AUD/A

Disc 1
1, Alan's Psychedelic Breakfast
2, The Embryo
3, Fat Old Sun
4, Careful With That Axe, Eugene

Disc 2
1, Set The Controls For The Heart Of The Sun
2, A Saucerful Of Secrets
3, Atom Heart Mother
4, Atom Heart Mother (Reprise)


このブートは、アルバム「Atom Heart Mother」のために実施されたツアーから、1970年12月22日に行われたヨークシャーはシェフィールド公演を収録したものになります。元々は別のフロイドのブートにボーナスディスクとしてついていたタイトルですが、自分はこれを単体で地元の中古CD Shopで見つけました。

この公演は、12月の本国英国ツアーの最終日にあたるライブであり、かつAtom Heart Mother(原子心母)がオーケストラ付きで演奏された数少ないライブの一つでもあるので、それだけでもなかなか聴く価値がある音源なのですが、それ以上にこの音源が絶対的な魅力を持っているのは、なんといってもAlan's Psychedelic Breakfastがプレイされていることでしょう。アルバム「Atom Heart Mother」のB面に収録されているこの曲ですが、ライブで演奏された事自体がどうやらこのライブだけのようで、激レアな音源と言えます。
セットリストの一曲目にありながら30分近い演奏時間に及ぶこの曲は、出だしは非常にブルージーな感じでスタートします。そして、数分経った頃からオーディエンスが一斉に笑い始める箇所が何回も出てきます。これ、実はステージ上でなんと目玉焼きを焼いてみせるという前衛的というかかなり変わったパフォーマンスをしていたようです。たしかに曲中のSEに混じって楽器らしからぬ音もステージからちらほら聴こえてきますww
この実験的な姿勢は、当時のPink Floydのスタイルを表しているようで非常に興味深いです。


ちなみにドキュメントとして興味深い箇所がもう一カ所。それはA Saucerful Of Secretsです。18分過ぎまでは順調な演奏を見せているのですが、18:20あたりで急に電源が落ちてしまい、ドラムしか聴こえなくなるというトラブルに見舞われます。演奏は中断。観客は一瞬曲が終わったものと勘違いをして拍手をしています。すると、1分ほど経った頃から、まずリックのピアノが復活したようで、伴奏を弾き始めます。そしてさらに30秒ほど経つと彼のハモンドオルガンも聴こえてくるようになり、その後にロジャーのベースとギルモアのギターも復活。曲に無事戻っていく一部始終を聴く事が出来ます。
Pink Floydのような長尺の曲をやるバンドにとって、このようなトラブルは曲を再開するにしてもどこからどのように始めるかという問題もあったりしてかなり困ると思うのですが、この日は案外あっさりと再開していますねw
ちなみに同様の電源トラブルによる演奏中断は、同年10月17日のカナダはペッパーランド・オーデトリアム公演でも発生しており、その日は、Astronomy Domineをなんと4回もやり直しています。

加えて、上述のオケ付きの「原子心母」では、33分に渡る濃密な演奏を聴く事が出来ます。演奏のクオリティも高く、オケや各種SEとの絡みも円熟の極みといったところでしょうか。演奏終了後、オーディエンスの割れんばかりの大拍手に応えて、ギルモアのスライドギターから始まる同曲のコーダ部分を3分ほどもう一度演奏するという、他では見られないであろうサービスっぷりまで聴く事が出来ます笑


言い遅れましたが、最後にこのブートの肝心の音質について。モノラル気味で、昔の録音独特のサーッというノイズが全般的に乗ってはいますが、ステージに近いところで録音された為か、音割れもなく、非常に聴きやすいオーディエンス録音です。1970年のオーディエンス録音としたら上々の音質と言えると思います。ボーナスディスク扱いではありますが、これだけ単体で売り出してもフロイドファンは十分買う価値のある音源でしょう。


2012年9月10日月曜日

BROTHERLY LOVE : Just Before 10th Anniversary

お久しぶりです。一週間ほど空いてしまった・・・。少しずつですがたまってるoasisブートのレビュー更新していきます。ごめんなさい。本日ご紹介するのはこちら。


「BROTHERLY LOVE : Just Before 10th Anniversary」  1CD  録音:SBD/A

1, Go Let It Out
2, Columbia
3, Morning Glory
4, Fade Away
5, Acquiesce
6, Gas Panic!
7, Cigarettes & Alcohol
8, Step Out
9, Slide Away
10, Champagne Supernova
11, Don't Look Back In Anger
12, I Am The Walrus


2000年の「Standing On The Shoulder Of Giants」リリースに伴う世界ツアーを終えたoasisは2001年に入ってBlack Crowesと北米限定でジョイントツアーを行います。そのミニツアーのタイトルはなんと「Brotherly Love Tour」(兄弟愛ツアー)!これはoasisとBlack Crowesの両バンドが共に兄弟でバンドを組んでいる事に由来するのですが、いかんせんoasis的にはなかなか歯がゆいタイトルですなwww


そんなミニツアーの中からこのブートは5/17のデンバー公演を収録しています。ネットで放送された音源が元となっていて、全曲サウンドボード音源でライブを楽しむ事が出来ます。ちなみに、このミニツアーにはアランが手首をケガした為に参加しておらず、代わりに彼の兄のスティーブ・ホワイト(ポール・ウェラーのバンドのドラマーとしてもおなじみ)がドラムを叩いています。元々公演数も少ないツアーですから、こうしてブート(しかもサウンドボード)で聴く事が出来るのは貴重と言えますね。フィルやタム回しなどがアランよりも多めで、いつもとひと味違った演奏が楽しめます。Acquiesceなどのドラミングは特にパワフルで迫力ありますよ〜^^


そんなレアなツアーを収録した本ブートですが、いくつか欠点も。
まず、オーディエンスの歓声がほとんど聴こえません。ボリュームをかなり上げると歓声が多少聞こえてくるので、これは放送時のミックスの問題でしょう。この日はリアムもノエルもかなりMCが饒舌で、いろいろ機嫌良く喋っているので、オーディエンスの反応がほとんど聴こえないのはちょっとマイナスポイント・・・。
加えて、最後の2曲で急にノイズが増えていくのもいただけません。元々ネット放送音源なので、ビットレートの関係上多少シャリシャリした音質になってしまうのは致し方ない事なのですが、ノイズが乗ってしまっているのは非常にもったいないです。



とまぁ、このように音質の欠点が多少見受けられるブートですが、そもそもこの「兄弟愛ツアー」はほとんどブート化されていないので、音源があるだけでも良しとしましょう。それに基本的には十分聴ける音質です。そしてさらにフォローを入れるなら、このブートをリリースしたPolar Bearというレーベルは、プレスCDにも関わらず、全体的にどのタイトルも購入しやすい価格になっている事が多いので、お財布的にも買って損はしないと思いますよ。
ちなみに個人的なおすすめトラックはGas Panic!です。オフィシャルライブ盤「Familiar To Millions」に代表される2000年のライブと違って、この2001年のツアーでは後半のアレンジが変わっています。ゆったりとした中間部分からテンポが急に速くなってノエルのスライドバーのソロ?に突入していくアレンジがGoodです。

2012年9月1日土曜日

Three Times A Hero

Beady Eyeの音源紹介しといてノエルの方を放置する訳にはいきませんので、今回はそのブートでも。


「Three Times A Hero」  2CD-R+1DVD-R  録音:AUD/S 画質:AUD/A

Disc 1
1, Opening (Shoot A Hole Into The Sun)
2, (It's Good) To Be Free
3, Mucky Fingers
4, Everybody's On The Run
5, Dream On
6, If I Had A Gun...
7, The Good Rebel
8, The Death Of You And Me
9, Freaky Teeth
10, Supersonic (Acoustic Version)
11, (I Wanna Live In A Dream In My) Record Machine
12, AKA... What A Life!
13, Band Introduction
14, Talk Tonight
15, Soldier Boys And Jesus Freaks
16, AKA... Broken Arrow
17, Half The World Away
18, (Stranded On) The Wrong Beach

Disc 2
1, Let The Lord Shine A Light On Me
2, Whatever
3, Little By Little
4, Don't Look Back In Anger
5, Closing
6, Mucky Fingers(ここからボーナストラック)
7, Supersonic (Acoustic Version)
8, (I Wanna Live In A Dream In My) Record Machine
9, AKA... What A Life!
10, Talk Tonight
11, Half The World Away
12, Let The Lord Shine A Light On Me
13, Whatever
14, Little By Little
15, Don't Look Back In Anger


本タイトルは記憶にも新しい2012年7月28日のフジロック・フェスティバルで、ヘッドライナーを務めたノエルのライブを収録したブートです。自分もこの日見に行きました!Noel Gallagher's High Flying Birdsとして2012年だけで既に2回来日単独公演を行っているノエル。これで今年3回目の来日ですww


まず、注目すべきはそのセットリスト。他の国のフェスに出演した時は、普段のセットリストをフェス用に短縮してライブを行っているのですが、なんとフジロックでは5月に単独公演を武道館で行った時と同じセットリストでやってくれました!フェスで20曲という大盤振る舞いです!

パフォーマンスも飛躍的に上がっています。自分は5月の武道館公演は行かなかった代わりに、1月の東京ドームシティーホール公演を全日程見に行ったのですが、その頃と比べてレベルが格段に上がっています。自信に満ちあふれてるんですよね。演奏に迷いが感じられないのは当然の事として、oasis時代の曲、ソロアルバムの曲、B面の曲、そんなもの関係なしに全曲に「どうだ、これがノエル様だ」という風格が漂ってます。現場で非常にそれを体感しました。
その他、Freaky Teeth演奏前のMCにおける最前列にいた女性ファンとのやりとりを初めとして、もはや恒例となったファンとのコミュニケーションも聴く事が出来ます。非常にリラックスした様子でもありました。


このように、バンドのコンディションは非常に良好なライブでしたが、もうひとつ肝心なのはその音質。まさに極上と言って良いでしょう。野外ライブを収録したブートとしては最高レベルの音質です。毎回毎回思うのですが、このXAVELというメーカーは本当に良い仕事しますねぇww
通常盤と初回盤両方についてくるボーナストラックには、当日メンバーが使用したIEM(イン・イヤー・モニター)音源から抜粋で10曲を収録。つい数年前まではモニター音源を傍受したものって聴くに堪えない酷い音質のが多かったんですが、これは歓声がほとんどミックスされていなかったり、音が多少ペラペラしている感はあるものの、良好な音質で聴く事が出来ます。

さらに初回盤には当日ステージの横に備え付けられた巨大スクリーンを固定カメラで全曲撮影したDVDがついています。これがまた凄い!画質は極上とまではいきませんが、十分鑑賞可能なレベルですし、音質も良いです。開演前の「NEXT UP, Noel Gallagher's High Flying Birds」の表示からライブ終演後までひたすらスクリーンだけを画面サイズ一杯に撮影しています。カメラがぶれる事もなく、まるでテレビでノエルのフジロックのステージを普通に見ている気分です。「プロショット映像をオーディエンスショットで撮影したもの」としては最高峰でしょう。初回盤だけについているのがもったいないです。


というわけで興奮冷めやらぬこのステージを収録したブートは、CD-R, DVD-Rという欠点を除けば、パフォーマンス・音質共にパーフェクトと言えるタイトルです。超オススメです。初回盤もまだ売っているようなので、ショップへ急げ!!^^


2012年8月31日金曜日

Live @ Big Egg 1st Night

もう、8月も終わりですね、早いのなんのって・・・。



「Live @ Big Egg 1st Night」  2CD  録音:AUD/A+

Disc 1
1, I Want To Tell You
2, Old Brown Shoe
3, Tax Man
4, Give Me Love
5, If I Need Someone
6, Something
7, What Is Life
8, Dark Horse
9, Piggies
10, Pretending
11, Old Love
12, Badge
13, Wonderful Tonight

Disc 2
1, Got My Mind Set On You
2, Cloud Nine
3, Here Comes The Sun
4, My Sweet Lord
5, All Those Years Ago
6, Cheer Down
7, Devil's Radio
8, Isn't It A Pity
9, While My Guitar Gently Weeps
10, Roll Over Beethoven


1991年のジョージ・ハリスンとエリック・クラプトンによる奇跡のジョイント・ツアーがここ日本だけで12公演行われました。ロックファンなら誰でも一度は耳にした事がある超大物2名が一度に来日するとあって、とても話題を呼んだようです。特にジョージに至っては、来日公演をするのは1966年のビートルズ来日以来!そもそもツアー自体に出るのも17年ぶりだったようです。


そんな歴史的来日公演のうち、10公演目の東京ドーム公演初日をオーディエンス録音で完全収録したブートが今回ご紹介するタイトルになります。
ライブをこなして慣れてきたせいか、ジョージ本人も来日公演序盤に見られた緊張感が無くなり、MCも「ドウモアリガトウ〜!」など日本語MCを連発していていくぶんリラックスしている様子がうかがえます。ただ、Taxmanをプレイする前のMCで「次はビートルズのRubber SoulからTaxmanだ!」と言っているのは、考えにくいですが単なる勘違いなのか、それともかつて「Revolverは僕の中ではRubber Soulの続編なんだ。」と発言していたジョージ個人の考え方によるものなのでしょうかね?


セットリストも豪華です。ビートルズ時代を含めた彼の全キャリアの中から選曲がなされており、途中に数曲クラプトンの曲を入れるというサンドイッチ形式になっています。もちろんクラプトン曲のボーカルはクラプトン本人です。二人の曲を一度に聴けるとあって、お得感もありますねww
さらに、セットリストに含まれるビートルズ曲も、ちょっとマイナーな曲から有名曲までバランスよく配置してあって、好感が持てます。


聴き所は、いろいろありますが、終盤のWhile My Guitar Gently WeepsとRoll Over Beethovenの2曲はやっぱりかなり熱いです。前者はビートルズの録音時からクラプトンがギターを担当した歴史的名曲ですし、後者はこの日14分近い演奏になっていて、各楽器のソロやオーディエンスへのコール&レスポンスなどもあったりして盛り上がりがハンパないです。あと、個人的にはソロアルバム「All Things Must Pass」の収録曲が聴けるのが嬉しいですねぇ〜。


音質も、1991年という年代と東京ドームという劣悪な音響環境を考えれば、かなり良い録音であると言えます。たまにオーディエンスの歓声に演奏が埋もれて聴こえる事がありますが、全編を通して良好な音質です。Here Comes The Sunなどのアコースティックな曲の録音は絶品です。


この日は、来日ツアーの中でもトップクラスの演奏だったと言う人もいるほどで、パフォーマンス、そして音質共に良好なこのブートは非常にオススメです。オフィシャルで出ている来日公演のCDは、クラプトンの曲をばっさりカットしていますし、Roll Over Beethovenの間奏も一部カットしてあるので、やっぱ物足りなさがあります。
あと、CD-RではなくてきちんとプレスCDになっているのもデカいですね^^


2012年8月28日火曜日

Live At Leeds Festival 2000

oasisのブートを眺めていると、2000年のツアーはオフィシャルからFamiliar To Millionsというライブ盤がリリースされているので、まぁこのツアーのブートはいらないかぁなんて思ってしまいがちですが、いやいや、名演があるんです。

今回ご紹介するのは、2000年の「Standing On The Soldier Of Giantsツアー」の最後の公演だった8/28のリーズ・フェスティバルでの音源です。そしてこれ、oasisファンにはかなり思い入れの深いライブになっています。というのもこの年は、90年代のoasisの圧倒的な大成功とは打って変わったかのように新作の売り上げが伸びず、世界ツアー自体もメディアに「壮大なリハーサル」と揶揄され、さらにはツアー途中では一時的にノエルがバンドから脱退するなどのトラブルが続発していたからです。こうした状況から「このツアーが終わったらoasisは解散するだろう」という説まで流れていました。


そんな中迎えたツアー最終日のライブがこれです。元々この日のブートは、当時BBCがネットで放送した音源が元になった「We'll Meet Again」、オーディエンス録音の「Live At Leeds」という2つのタイトルが主に有名でしたが、

・「We'll Meet Again」  1CD-R  録音:SBD/A−
①Fuck'n In The Bushes, Go Let It Out, Who Feels Love?の3曲が放送されず未収録。②基本的には聴ける音質ではあるが、ところどころでネット放送音源特有のシャリシャリ音やノイズがあり、あまりにそれが酷いWonderwallはカット。

・「Live At Leeds」  2CD  録音:AUD/B+~A−
①完全収録している代わりにステージから離れたところで録音された為に音質と臨場感の点で劣る

という欠点を抱えていました。今回ご紹介するのは、前者と同じネット音源が元で未収録曲もあるものの、シャリシャリ音やノイズが大幅に無くなっており、Wonderwallも収録されているという改訂版の音源です。サウンドボード音源なので聴きやすいですし、ノイズ問題などがかなり改善されているのはポイント高いです。集中してライブを鑑賞する事ができます。以下改訂版の収録曲です。

1, Supersonic
2, Shakermaker
3, Acquiesce
4, Step Out
5, Gas Panic!
6, Roll With It
7, Stand By Me
8, Wonderwall
9, Cigarettes & Alcohol - Whole Lotta Love - Oh Well
10, Don't Look Back In Anger
11, Live Forever
12, Hey Hey, My My
13, Champagne Supernova
14, Rock 'n' Roll Star (Failed)
15, Rock 'n' Roll Star


内容は今までoasisファンの間で散々語り継がれてきたように本当に熱い演奏です。Supersonicを始める前には、ノエルが「これは葬式なんかじゃないんだぜ!」といってオーディエンスを煽ります(このライブ全編を通してリアムとノエルがライブを盛り上げようとかなり張り切ってますね。リアムのMCも饒舌です)。
そして、一番の聴き所はラストのRock 'n' Roll Starでしょう!まずは曲前のMCで「俺たちは帰ってくる。それがいつか、それがどこかは分からない。けれど俺たちは戻ってくる!」と解散を否定!さらにいつも通り演奏を始めるのですが、50秒過ぎたあたりで急にノエルが演奏を止めます。そして「おい、これがこのツアーのラストソングだぜ?もっと盛り上がれよ!」と観客を煽って、もう一度頭から演奏を再開します。これがかなり勢いのある演奏でたまりません!あまりにすごい勢いで曲に突っ込んだ為にギターソロ前の場面でノエルが曲構成を間違えそうになりますが、そんなのおかまいなしに突っ走ります。さらにノエル、アウトロではシャウトまでしてます。普段ライブで感情を爆発させる事がない人なので、よっぽど演奏に興奮してたんでしょうね。


この改訂版の音源、まだブートCD化されてはいないようですが、ぜひしてもらいたいですね。ファンなら必聴の激熱ライブです!現段階では「We'll Meet Again」の入手が割と容易ですのでオススメしておきます。未収録曲やノイズはあるものの、基本的には聴ける音質です。


●参考画像

・「We'll Meet Again」


・「Live At Leeds」



2012年8月27日月曜日

L.A. Friday

はてさて、今日はストーンズのオフィシャルブートでもご紹介しましょうかね。


「L.A. Friday」  録音:SBD/S

1, Honky Tonk Women
2, All Down The Line
3, If You Cant Rock Me
4, Get Off Of My Cloud
5, Star Star
6, Gimme Shelter
7, Aint Too Proud To Beg
8, You Gotta Move
9, You Can't Always Get What You Want
10, Happy
11, Tumbling Dice
12, Band Intros
13, It's Only Rock'n Roll
14, Heartbreaker
15, Fingerprint File
16, Angie
17, Wild Horses
18, Outa Space
19, Brown Sugar
20, Brown Sugar
21, Midnight Rambler
22, Rip This Joint
23, Street Fighting Man
24, Jumpin' Jack Flash
25, Sympathy For The Devil



ちょいと数ヶ月さかのぼってしまいますが、4/2にStones Archiveから突如、1975年7月13日のライブ音源を配信することが発表されました。今までStones Archiveは73年のブリュッセル公演、81年のハンプトン公演をオフィシャルブート化して配信してきましたが、今回のもまたすんごい音源。なぜなら、この日の音源、従来はマイク・ミラードというテーパーが録音した高音質オーディエンス録音がブートとして君臨していたからです。星の数ほどあるストーンズのブートの中でも特に有名な音源と知られていましたが、まさかオフィシャル側がこの日のライン録音のサウンドボード音源を持っているとは・・・。恐るべしです。

しかも付けられたタイトルも面白いです。上で述べたオーディエンス録音の音源も当時「L.A. Friday」の名で発表されたのですが、ブート業者が日付を間違ってつけたためにこのタイトルで出回ったのでした(実は7/13は日曜日。7/11が金曜日でしかもライン録音が存在している日なので、今回のオフィシャル発表でも最初多くのファンは文字通り7/11の方の音源が配信されるのかと勘違いしたそうです)。オフィシャルがブートのタイトルをそのまま拝借するっていうのも面白いですねww


肝心の内容ですが、やっぱ長年愛されてきたライブ音源だけあって、良い出来です。パーカッション隊をバックに引き連れて、ロニーもキースもとにかく弾きまくってます。今じゃあ聴けないような充実っぷりですね。脱退したミック・テイラーの後釜として、彼に負けじと弾いて弾いて弾きまくるロニーが頼もしいですな。セトリも一曲目のHonky Tonk WomenからラストのSympathy For The Devilまで荒々しいロックンロールが満載です。文句なしの豪華セトリ。


あまりのテンションの高さにHappyなどではキースが小節数をミスって完全にグダグダの演奏になっちゃってますが、そこはご愛嬌ww
そういうミスはたしかにあるものの、ライブのノリがとにかく素晴らしく、一瞬たりとも聴き逃せませんね。オーディエンスとミック・ジャガーのやり取りはちょっと怖さを感じるほどテンションが高いです。

さらに注目すべきは、このツアーに参加したビリー・プレストンの存在!ビートルズのルーフトップコンサートなどでもおなじみの彼ですが、このツアーではサポートキーボードとして参加していて、ライブ途中にはストーンズのメンバーと一緒に自身の持ち曲、That's LifeとOuta Spaceの2曲をボーカルしています。特にOuta Spaceのノリがヤバいです。ファンキーで超かっこいい!続くBrown Sugarへそのままなだれ込むような展開も必聴です。

ちなみにこの日、ラストのSympathy For The DevilではゲストギタリストとしてJesse Ed Davisが参加しています。ソロを弾く順番は、ロニー→キース→ジェシの順ですが、いやあどれも良い出来ですわ。それぞれの個性がソロに出てて面白いですよ。ずっと聴いてたい。


もしストーンズをまだ聴いた事がない、もしくはハマった事がない人には、73年のブリュッセル公演と共にこのロサンゼルス公演のライブ音源を断然オススメしますね。超絶ロックンロールが24曲(約2時間半)も楽しめる優れものです。

2012年8月21日火曜日

PROJECT KAOS

今回は、Roger WatersがPink Floydを脱退してからのソロにおけるライブブートでもご紹介しましょうかね。


「PROJECT KAOS」  3CD-R  録音:AUD/A+

Disc 1
1, Introduction (With Jim Ladd)
2, The Firm - Radioactive
3, Call From The Hall (1)
4, Club Nowhere
5, Call From The Hall (2)
6, Paul Carrack - Tempted
7, Radio Waves
8, Welcome To The Machine
9, Who Needs Information
10, Money
11, Professional Bimbo School
12, In The Flesh
13, Have A Cigar
14, Pigs(3 Different Ones)
15, Wish You Where Here
16, Mother

Disc 2
1, Mollys Song
2, Me Or Him
3, The Powers That Be
4, Intermission with Jim Ladd
5, Calls To Roger
6, "Shredding Alternative" Advertisement
7, Going To Live In LA
8, Sunset Strip
9, Fish Report With A Beat
10, Take Your Filthy Hands Off My Desert
11, Southampton Dock
12, Arnold Layne Video
13, If
14, Every Strangers Eyes
15, Not Now John
16, Another Brick In The Wall, Part I
17, The Happiest Days Of Our Lives
18, Another Brick In The Wall, Part II
19, Nobody Home

Disc 3
1, Home
2, Four Minutes
3, The Side Is Turning
4, Thank You
5, Breath(In The Air)
6, Brain Damage/Eclipse (ここまでが本編ミルウォーキー公演。以下ボートラ)
7, 5:01 AM(The Pros And Cons Of Hitch-Hiking)-Roger Waters Vocals
8, Set The Controls For The Heart Of Sun
9, Breath(In TheAir)/The Great Gig In The Sky-Clare Torry Vocal
10, I Can Tell(Bo Diddley Cover)
11, 5:01 AM(The Pros And Cons Of Hitching)-Paul Carrack Vocals
12, Billy's Blues(Waiting For The Drummer)
13, Outside The Wall-Guest Vocals John Joyce, Jim Haas & Joe Chemay


ブートタイトルと緑が目立つジャケからもお分かりの通り、このブートは、以前こちらの記事でご紹介した1987年のソロアルバム「Radio K.A.O.S.」に伴うツアーのブートです。オーディエンス録音で11/13のミルウォーキー公演を完全収録してあります。さらにボーナスとして同ツアーの他のライブでの音源を全てオーディエンス録音で収録してあり、これ一つでツアーの全貌を楽しむ事が出来るボリューミーな内容となっています。このツアーのブートはほとんど発掘されていないようなので、ありがたいですね。

そして気になるのはその音質ですが、本編のミルウォーキー公演・ボーナストラック共に素晴らしい高音質です。Another Brick In The Wall, Part IIなどで一瞬音が片方のチャンネルに寄ったりする事がありますが、基本的には終始安定したサウンドでライブを聴く事が出来ます。ボーナスのBilly's Blues(Disc3-12)のみ、ちょっとオーディエンスの歓声に演奏が埋もれがちですが、それでも十分聴ける範囲です。


では、ショー自体はどのように進められたかというと、架空のラジオ局Radio K.A.O.S.のDJという設定の人物、ジム・ラッドがあたかもラジオ番組を放送しているかのような演出でライブが行われました。アルバムストーリーにおける主人公ビリーとの電話のやり取りを演じるシーンがあったり、実際に観客の中から人を選んでステージ上でインタビューを行ったり、視聴者からのリクエストという設定で全く別のアーティストの曲を流したり、CMが途中に入ったり・・・といった具合でかなり凝った演出だったようです。実際聴いていると随所にDJジムのトークが入りますし、ロジャー達のライブ演奏もジムの曲紹介があったりします。個人的に面白かったのはフロイドのデビューシングル「Arnold Layne」が会場に流されたこと。どうやらPVが会場に流されたようで、観客も沸いてます。


こうして聴き所満載なライブなのですが、いかんせん演出の都合上かなり長尺のライブ(130分以上)となっています。しかもロジャーたちの演奏以外の箇所(DJジムのしゃべり、リスナーとのトーク、インタビュー、視聴者リクエストなど)がかなり多く、はっきり言ってロジャー達の演奏のみを聴きたい方にとっては少々退屈に感じられるところがあります。このブートをリリースしたAyanamiレーベルは、きちんとそこらへんをトラックで区切ってくれてますので、演奏と直接関係ないところは飛ばしてしまっても良いでしょうね。
そして、「いかにも」な80年代ロックサウンドにアレンジされているフロイド時代の曲も一部ありますが、そこは個人の好みでしょうかね。


とはいえ、壮大なステージをフルで高音質収録している功績はデカいです。結構フロイド時代の曲もプレイしてますので、ソロとフロイド時代の曲がうまい具合に組み込まれたセットリストはお腹いっぱいになれると思いますよ^^
ボーナストラックもあのボ・ディドリーのカバーなど超レアな音源ばかり!CD-Rという点を除けば、かなりクオリティの高いブートですので、個人的にはオススメです。


2012年8月19日日曜日

Trouble Star

1998年に3rdアルバムBe Here Nowの世界ツアーを終えると、バンドは休暇に入りました。そしてここからoasisに取っては少し辛い時期が始まる事に・・・。

まず、今までoasisを支えてきたボーンヘッドとギグジーの2人がまとめてバンドを脱退する事が発表されました。そこまでテクがあるわけではないですが、デビュー前からギャラガー兄弟と行動を共にしてきた彼らの脱退は痛いものです・・・。
そしてプライベート面でもゴタゴタが。リアム・ノエル共にこの時期に離婚を経験しています。

こんな混乱の中ではあったものの、とりあえずニューアルバムの製作に乗り出さねばならんということで、ノエルはあらかじめある程度録音してあったボーンヘッドとギグジーのパートを全て自分で録音し直します。そしてその後、新たなギタリストとしてゲム・アーチャーが、ベーシストにあのRideのリーダー、アンディ・ベルが加入しました。


こうして発売された4thアルバム「Standing On The Shoulder Of Giants」は、2000年2月に発売され、UKチャート一位を獲得。SEやシンセを目立たせたサウンドは今までのoasisにはない目新しい感じのサウンドでした。しかし、なにか上手くいってない・・・。そんな暗い雰囲気が漂うこのアルバムは、チャートでは一位を取ったものの、今までの3枚のアルバムと比べて売り上げが大きく下回っていました。後にノエルはインタビューでこの時期の事を「本当に作曲意欲が失せていた最悪の時期」と語っています。


そんな中、ツアーがスタート。新生oasisはここ日本からワールドツアーを開始します。前置きが長くなりましたが、今日ご紹介するのは、その中で「悪夢」と言われる公演を収録したブートです。


「Trouble Star」  2CD-R  録音:AUD/A+

Disc 1
1, Fuckin' In The Bushes
2, Go Let It Out
3, Who Feels Love?
4, Supersonic
5, Some Might Say
6, Acquiesce
7, Noel MC
8, Sunday Morning Call
9, Where Did It All Go Wrong
10, Gas Panic!

Disc 2
1, Roll With It
2, Stand By Me
3, Wonderwall
4, Cigarettes & Alcohol
5, Live forever
6, Don't look back in anger
7, Helter Skenter
8, Outroduction


2000年来日ツアーは福岡公演を収録したブートです。このジャケとタイトルでお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、ついにリアムが日本公演でもやらかしました・・・。一曲目からリアムの声の調子がおかしいです。Some Might Sayに至っては、ほとんど歌えていません。続くAcquisceでもボーカルはボロボロ。そして1回目のサビが終わった後、聴こえてくるのはノエルのボーカル・・・。そう、リアムがステージを降りてしまったのです。この曲の後、ノエルは「The singer lost his voice.」とMCで謝罪しています。一方ライブのプロモーターは「リアムは休憩してるだけでまた後で出てくる」と弁解しており、両者の食い違いからも会場の混乱が分かります。


その結果、Acquiesce以降の全ての曲はノエルが代わりに歌うことに。その後のライブでセットリストから外されることになるSunday Morning CallやWhere Did It All Go Wrongが高音質で聴けるのはありがたいですが、いかんせんバンドの雰囲気がよろしくありません。他にもGas Panic!やCigarettes & Alcoholのような本来リアムボーカルの曲も含めてちゃんと最後までやりきるのはノエルらしいですが、まぁ、お世辞にも素晴らしい出来とは言えません・・・。


さらに辛いのはライブが全部終了した後のプロモーターの説明。「リアムは最初から体調が悪かった。けど、他のメンバーが1時間以上演奏を頑張ったのでもう終わりにします。」的な呆れた言い訳をしとります・・・。しかもさっきと言ってること違うし・・・。当然会場のオーディエンスは不満爆発。「さっき出てくるって言ったじゃん!」という声も聴こえてきます。


というわけで、2000年来日ツアーの一つを高音質オーディエンス録音で聴けるのはありがたいですが、いかんせんライブの雰囲気が悪すぎていまいち好きになれないブートです。リアムよ・・・。

2012年8月18日土曜日

Noel Gets To The Point -Complete- (Definitive Edition)

oasisブートに関して長い間更新をしていませんでした。すみません・・・w
なので、今回は久々にoasisブートをご紹介!


「Noel Gets To The Point -Complete- (Definitive Edition)」  3CD+4CD-R  録音:Disc1~Disc2-5:AUD/B+, Disc2-6~Disc3-9:SBD/A+, Disc3-10~11:SBD/S, Disc4~Disc5:AUD/C+, Disc6~7:SBD/A


いやぁ、改めてすんごいボリュームです。このブートは、1997年の12/3からアイルランドはダブリンで3日間連続で行われたライブを収録したものです。このライブは、初日の公演を終えた後にリアムにドクターストップがかかったため、残りの2日間をノエルボーカルで臨まなければならなくなったというレアなライブです。長い間このライブ(特に最終日)を収録したブートが廃盤状態だったため、入手が困難だったのですが、betrayer deluxeというoasis専門の新興ブートレーベルが初日と2日目もセットにした改訂版をリリースしてくれたことで入手が容易になりました。


まず、DIsc1からDisc2の5曲目までは2日目の公演をオーディエンス録音で収録してあります。音質はちょっと荒めで、良好な録音まではいかないものの、まずまず鑑賞には耐えうるレベルです。この日は全曲ノエルがボーカルを務めなければならないというプレッシャーからか、ライブ序盤でノエルが緊張しているのが分かります。演奏が固いですw
とはいえ、Stay Youngをノエルボーカルで聴けるなど、かなりレアな音源ですね。ノエルボーカルでこの曲をやったのは、この日だけかと。


続いて、Disc2の6曲目からDisc3の9曲目にかけては、既発で激レアブートと化していた「Noel Gets To The Point」に収録された最終日をサウンドボード音源で収録。モノラル気味の音源ながら、かなりの高音質です。音質もほんの少しだけ既発よりもアップしている気がします。そして慣れてきた為か、ノエルも終始ご機嫌です。
オーディエンスの盛り上がりがこれまた最高で、Stand By Me, D'You Know What I Mean?, Whatever, Don't Go Awayのアコースティックアレンジでは大合唱を聴く事が出来ます。ノエルも所々でオーディエンスに歌を完全に任せて自分は演奏に徹するなどしていて、素晴らしい雰囲気です。
そしてなにより貴重なのは、My Big MouthとThe Girl In The Dirty Shirtの2曲!特に後者はノエルボーカルはおろか、ライブで演奏されたのはこの日だけという激レアな音源です!ラスト2曲のLive ForeverとWonderwallのみ、別ソースのサウンドボード音源から。それまでよりほんの少し音質は落ちますが、その代わりステレオ感は増している音源で、聴きやすいですよ。

Disc3の9曲目と10曲目には、ドイツのラジオ局で行ったノエルのアコースティックライブを2曲収録。どちらも超がつくほどの高音質サウンドボード音源なので問題なしです。特にこの日のD'You Know What I Mean?は初ブート化だそうです。



そして、初回限定のボーナスディスクですが、まずDisc4とDisc5には、唯一リアムが出演できた初日のライブをオーディエンス録音で収録してあります。お世辞にも音質は良いとは言えないですね。あくまで「記録」として聴いた方がいいかと思います。鑑賞向きではないですね・・・。とはいえ、リアムのボーカルを聴く限り、そこまで喉の調子が悪い訳ではなさそうです。なんでだろうね・・・?笑

ボーナスディスクのDIsc6とDisc7には最終日のライブを別ソースのサウンドボード音源で収録してあります。本編でラスト2曲の補填に使われたのと同ソースです。ラジオ番組で放送された音源をそのまま収録してあり、曲間のDJのトークやジングルもカットせずにそのまま入ってます。


全編ノエルボーカル(今までリアムがライブ中にステージを降りて、途中からノエルボーカルというのはありましたがw)で、さらに激レア曲をいくつも聴けるとあって、このブートは本当に貴重と言えます。お店で見つけたら購入の最優先候補の一つに入れるべき。名盤ブートの一つです!
長いので、3日間のセトリはこちらから↓
初日
2日目
最終日


2012年8月16日木曜日

Supernova

はい、夏休みも佳境に入って参りました。自分は先日西新宿に友人と赴きまして、探し求めていたブツをようやくゲットする事が出来ました。今回はそれをご紹介。


「Supernova」  2DVD  画質・音質:DIsc1/A+, Disc2/S


ようやく手に入れる事が出来ました〜!ストーンズ現在最後の来日となっている2006年来日ツアーより、4/2のさいたまスーパーアリーナ公演をプロショットで収録したDVDブートです。これは、過去に一度だけWOWWOWが放送したものが元になっており、画質・音質共に完璧な状態です。2007年の春頃、BFで発売されたようですが、ずーっと売り切れ状態が続いており、廃盤となっていました。しかし、今年の4/2に伝説の1975年ロサンゼルス公演がオフィシャル配信されたことを記念して(と店のポップには書いてありましたw)、BFが再発してくれましたー。ありがたや!!!(たまたま公演の日付が一緒だったんですねw)
しかも再発に当たって、当時5800円だったこのタイトルがなんと1800円に値段が改定されていました。いやぁ、BFに感謝感謝。このHalcyonというレーベル独特のジャケ(キラキラ光るホログラム仕様)も発売当時と同じですね。にしても見づらいジャケです・・・w


本編のライブの内容はいうまでもなく良いですね。メンバーもリラックスした様子で楽しそうに演奏しています。年を感じさせないプレイが素晴らしいです。代表曲はもちろんなんですが、Miss Youとか最高じゃあないですか!ミックの日本語MCも調子良さげww


そして気になるのは、「なんで2枚組なの?」ってこと。実は1枚目はプレ放送バージョン。おそらく関係者からの流出でしょう。2枚目の放送バージョンとさしたる違いはないのですが、いくつか違いを挙げておくと、

①画面の上にタイムコードが表示されている。
②画質・音質共にDisc 2よりも少しだけ荒い。
③各楽器の音のミックスがDisc 2の本編と異なる。

こんな感じでしょうか。まぁ、これだけだったらたいして魅力がないように思えるんですが、重要なのはそのライブが始まる前!この一枚目、最初のチャプターにメンバーが会場に到着した時の映像を収めてあるのですが、これがプロの機材を使用したかなりの高画質。さいたまスーパーアリーナの地下駐車場みたいなところで撮影されているのですが、ストーンズのメンバーがカメラに向かって挨拶してくれたりとかなりフレンドリー。警備の方々もいる中でこのような機材を回しているのですから、これも関係者が撮影したものが流出したのでしょう。ここまで来るとちょっと怖いレベルですねw


というわけで最高の画質・音質でストーンズの来日公演を楽しめるという素晴らしいアイテムです。どうやら放送されなかった曲もないようなので、ライブを完全収録してるという点も好感が持てますね。プレス2DVDで1800円!BFへ急げ!!(笑)



※追記:2006年の来日ツアーに関しては、以前こちらの記事でご紹介したように、東京ドーム公演も美麗プロショットでDVD化されています。これはさいたまスーパーアリーナ公演を収録するに先立って、この東京ドーム公演を機材チェックの為に録画したものが元になっています。これも関係者からの流出と言われています。そのため、オーディエンスの歓声がほとんどミックスされていません、たしかにこっちも高画質・高音質なのですが、臨場感が全くないので、もしどっちを買うか迷っている場合は、今回ご紹介したさいたまスーパーアリーナ公演の方をオススメしておきます(セトリもShe's So Coldの有無など一部違うものの、大体同じです)。まぁ、ブートの質の高さに反して安価なので、両方そろえるってのもファンならありでしょうけどねw(「Naked film」は1000円、「Supernova」は1800円です)。

2012年8月13日月曜日

長浜特製ラーメン850円@六角堂町田店

昼は豚骨ラーメンが食いたいなぁと思い、このお店へ。今まで何回か足を運んだことはあるのですが、立地があんまりよくないせいか、お客さんの数はまばらなことが多いです。
美味しいだけに頑張って欲しい……。

そんなわけで今日頼んだのは1日25食限定の長浜特製ラーメン!
さらにこの店の売りなのですが、博多系豚骨ラーメンの特徴である「替え玉」がなんと2玉まで無料!これは腹ペコ学生には嬉しいサービスです!(^-^)/

店の目の前には大勝軒、さらに町田では有名な家系ラーメンの町田家が隣にあったりとライバル店が多い地区にあるラーメン屋さんですが、おすすめですよー。


2012年8月6日月曜日

In The Flesh

ほい!Roger WatersのアルバムBOX解説もついに第4弾まで来ました。今回は、そのBOXに収録されている「In The Flesh」というライブCD(DVD)をご紹介!!



「In The Flesh」  2CD(同名作品でDVDもあります)

Disc 1
1, In The Flesh
2, The Happiest Days Of Our Lives
3, Another Brick In The Wall (Part II)
4, Mother
5, Get Your Filthy Hands Off My Desert
6, Southampton Dock
7, Pigs On The Wing, Part I
8, Dogs
9, Welcome To The Machine
10, Wish You Were Here
11, Shine On You Crazy Diamond
12, Set The Controls For The Heart Of The Sun

Disc 2
1, Breathe (In The Air)
2, Time
3, Money
4, The Pros And Cons Of Hitch Hiking Part 11 (Aka 5:06 AM - Every Stranger's Eyes)
5, Perfect Sense (Part I And II)
6, The Bravery Of Being Out Of Range
7, It's A Miracle
8, Amused To Death
9, Brain Damage
10, Eclipse
11, Comfortably Numb
12, Each Small Candle



以前、この記事でご紹介したように、ロジャーは「Radio K.A.O.S.」と「死滅遊戯」における連続セールス失敗のショックから、ツアーに出る事をためらっていましたが、1999年、突如ツアーに出る事を発表します。今作はその「In The Flesh」と名付けられたツアーから、2000年6月27日、オレゴン州はポートランドでのライブを収録したものです。


まず目を引くのがそのセットリスト!ソロアルバムの曲はもちろん、Pink Floydの曲が目白押しです。全24曲で2時間半はあるお腹いっぱいのセットリストですね。しかも取り上げているフロイドの曲が、有名曲はもちろんのこと、マイナー曲までまんべんなくやってくれているのです!デヴィッド・ギルモアのソロライブだと、彼は有名曲しかやりませんから、これは貴重です。「Final Cut」の曲をプレイするのはロジャーだけでしょうし、「太陽賛歌」や「Welcome To The Machine」、「Dogs」などがプレイされているのもポイント高し!
そして、ギルモアのライブとよく対比されるのがその演奏レベルですが、このライブ盤では、そこもギルモアに負けていないと思います。ギターにはフロイド時代からおなじみのスノーウィ・ホワイト、クラプトンのツアーにも参加している凄腕イケメンギタリストのドイル・ブラムホール2世、さらにはあの名人アンディ・フェアウェザー・ロウがギターとベース両方で参加しています。「Comfortably Numb」では、後半の長いギターソロで、スノーウィー・ホワイトとドイルの壮絶なギターソロバトルが楽しめます。ギルモアはここを一人で全部弾いちゃう訳ですが、2人で弾き分けるというロジャー版のアレンジも悪くないですよ!
ソロアルバムの曲もセトリの所々に良いタイミングで入ってます。3人組の女性コーラス隊がいい味出してますよ〜。やっぱロジャーのライブにコーラス隊は必須ですな。総勢10人での演奏は、サウンドも豪華。

個人的に不満はほとんどないのですが、強いて言えば、ロジャー・ウォーターズにしてはステージのバックスクリーンに映す映像がかなりシンプルでちょっと見ずらいことことですかね。フロイド時代やこの後のソロツアーにおける視覚効果の凄さを考えるとちょっとシンプルかも・・・。とはいえ、そのぶん演奏に集中できるという点は良いのかもしれません。


ギルモアのとは違う「もうひとつのフロイド」を堪能出来るという意味でも良いですし、純粋に「ロジャー・ウォーターズ」個人としても非常に充実してるライブ作品と言えるでしょう。オススメ!

最後にこのライブでの「Another Brick In The Wall (Part II)」を貼っておきます。良い演奏ですよ^^



2012年8月4日土曜日

Amused To Death

はい、てなわけでRoger Waters Album Collectionの解説どんどん行っちゃいます!今日は彼が1992年に発表したアルバム「Amused To Death」をご紹介!



「Amused To Death」(邦題:死滅遊戯) リリース:1992年


いんやぁ、すんごいタイトル・・・ww
Pink Floydというバンドもそうですが、デヴィッド・ギルモアのソロ作品も含めてなぜか厨二病みたいな邦題が多いような気がしますw
ただ、このロジャーのアルバムに関しては原題とそれほど離れていないので上手い訳し方だなぁと担当の方のセンスを感じますね!

アルバムの内容はというと、相も変わらずロジャー大先生のアルバムですからものすごく暗い内容です。テーマは『TVというメディアは、当時の天安門事件や湾岸戦争などに代表される多くの政治・社会問題をエンターテインメント化してしまった。人々はテレビを通じて戦争を「観戦」する。結局人々は遊び尽くして滅びるのだ。』というもので、テレビ(メディア)が社会にもたらした弊害と一般人のその姿勢をを痛烈に批判しています。このコンセプトはかなりの高評価を得たようで、「(フロイド時代の)The Wall以来の傑作」とも評されました。実際、ロジャー自身もかなり手応えを感じていたらしく、「このアルバムが200万枚売れたら世界ツアーを開始する」との声明を発表。

さらにこのアルバム、あのジェフ・ベックがギターで全面的に参加しております。これが超効いてる!アルバムの質を飛躍的に上げていますね。2曲目「What God Wants, Part I」などに代表される彼のギタープレイはさすがの一言です。不安げな曲調からハードロックな曲までロジャーの表現欲求に見事に応えている気がします。こうして見ると、「ヒッチハイクの賛否両論」におけるクラプトンの採用もそうですが、ロジャー・ウォーターズという人の人脈にはホント驚くばかりです。



と、まぁここまでは良い事ずくめのようなんですが・・・。

やはり、というべきかセールスが・・・。上にも書いたようにロジャー本人は200万枚ほど売れる事を期待していたのでしょうが、実際は1/4の50万枚ほどだったそうです。当然のごとく、ツアーはお預け。極めて質の高い(事実ロジャーが出したソロアルバムの中では一番クオリティ高いです)内容にも関わらず、ライブは行われませんでした。



とはいえ、フロイド脱退以降は、「あともう一押し欲しいなぁ」なんて思う曲が多かったりする中、このアルバムでついにそのモヤモヤが吹っ飛んだ印象を受けます。ジェフ・ベックやスティーブ・ルカサーの力を借りながらも、ロジャー・ウォーターズ節は健在。アルバム自体は暗いテーマながら、「俺たちの知ってるロジャー・ウォーターズが帰って来た!」と思わせてくれる点では、質実剛健なアルバムと言えるでしょうね。
1999年以降のライブで、ロジャーはフロイド時代の曲に混ぜて度々このアルバムの曲(Perfect Sense Part I And II, It's A Miracle, Amused To Deathなど)を披露していますが、歴代フロイド曲と肩を並べても見劣りがしないクオリティなのはさすがです。

もし、ロジャー・ウォーターズのソロアルバムに興味がでてきたら、最初にオススメするのは、このアルバムですね。「死滅遊戯」もっと聴かれると嬉しいですw




このアルバムの代表曲、「What God Wants, Part I」のPVを貼っておきます。ジェフベックが良い仕事してます。動物がたくさん出てきますが、テレビメディアに釘付けになった人々の事を「まるで動物のようだ」と揶揄しているようです。

2012年8月1日水曜日

Radio K.A.O.S.

ほい!今日は前日に引き続き、Roger WatersのAlbum Collection (BOX)に収録された作品の紹介をしていきます。今回はフロイド脱退後のソロ作品としては2作目にあたる「Radio K.A.O.S.」ですね。


・「Radio K.A.O.S.」 リリース:1987年


 えー、突然ではありますが、まずこの作品を語る前に前作「ヒッチハイクの賛否両論(1984年)」以降の彼の活動を考えなければなりません。ロジャーは1986年に「When the Wind Blows(邦題:風が吹くとき)」という絵本をアニメ映画化する際に、そのサウンドトラックを担当しています。主題歌はDavid Bowieが手がけたようです。

 そしてこのアニメ作品のストーリー自体がかなり深刻なものであり、「主人公は、イギリスの片田舎で静かな年金生活を送っている老夫婦のジムとヒルダ。しかし、世界情勢は日に日に悪化していき、ある日核戦争が勃発する。二人は政府が発行したパンフレットに従って、保存食を用意しシェルターを作るなどの準備を始める。そして突然、ラジオから3分後に核ミサイルが飛来すると告げられる。命からがらシェルターに逃げ込んだ2人はなんとか難を逃れるが、放射線が徐々に2人を蝕んでいく。政府からの救援が来ると信じてやまない彼らは、互いを励まし合いながらも次第に衰弱していく」というものです(Wikipediaより抜粋)。

 このアニメ作品における彼の音楽活動は、彼のソロアルバムに強く影響を与える事となりました。元々「Animals」以降のフロイドにおいて、政治的メッセージを作品に織り込むのがロジャー曲の特徴でしたが、これ以降はその傾向がますます強くなっていきます。


 その結果作られた本作品「Radio K.A.O.S.」は、前作とは違って政治的主張の強いコンセプトアルバムとして完成しました。アルバムストーリーは、「身体的障害を生まれつき持った青年ビリーは、双子の兄に支えられて暮らしてきたが、ある日、兄が殺人事件で命を落としてしまう。悲しみに暮れるビリーは叔父のところへ預けられて生活する事になったが、そこで自分は世界中のラジオ電波と交信できるという超能力を持っている事に気づく。そして様々な電波と交信していくうちに、電波を利用して人々をコントロールしようと企む権力者の存在をも知ってしまう。ビリーは、「Radio K.A.O.S.」という名の架空のラジオ局が様々な革新的な試みを行っている事を知り、彼らにコンタクトをとって権力者の陰謀に立ち向かうのだった・・・」というかなりぶっ飛んだものであります。


 こうして見てみると、フロイド在籍時代や前作「ヒッチハイクの賛否両論」で培われたコンセプトアルバムというお得意の形を土台に、「風が吹くとき」のサントラ製作の影響である政治批判というメッセージ性を上手く昇華して乗っけているのが分かります。自身の完全なソロ作品ではないですが。「風が吹くとき」の続編と捉える事も出来ない訳ではありません。


 しかし、サウンドに関しては従来の彼の作品とは一線を画すものになっているのが特徴です。1曲目からシンセサイザーのデジタルシーケンスが飛び出します。これにはラジオ媒体という作品テーマと当時の音楽シーンの影響が如実に表れています。そのサウンドのせいか、ポップな曲もいくつかあり、おそらくというか確実にロジャーのソロ作品の中では唯一ポップな作品と言えるでしょうねwww
おっ!と思える良曲もいくつかあります。個人的には「Radio Waves」、「Who Needs Information」、「The Tide Is Turning (After Live Aid)」などがオススメです。


 とはいえ、あまりに難解なテーマ(歌詞だけではリスナーが理解できないため、ロジャー本人がブックレットに作品の解説をつけたほど)や、サウンドとは対照的な暗く重い内容が災いしたのか、アルバムセールスは散々たる結果となりました。同時期にロジャー以外のメンバー(デヴィッド・ギルモア、リック・ライト、ニック・メイスン)がPink Floydを再始動させてニューアルバム「鬱」をリリースし、その売り上げ対決が注目されていましたが、勝負にすらならないほど・・・。両者はライブツアーの観客動員数でも勝負しましたが、新生フロイドの圧勝に終わります。結果、これが相当にショックだったらしく、ロジャーは1999年までツアーに出る事を止めてしまいました。


 うーん、たしかに身体障害を持った青年という設定はThe Whoの「Tommy」に通じるところがあるし、ストーリーが大味な気もしなくはないですが、サウンドだけ見たら、まぁ割ととっつきやすいほうだとは思うのですが・・・。曲のクオリティも決して悪くないと思うし、もう少し評価されても良いのでは・・・?

Roger Waters Album Collection : The Pros And Cons Of Hitch Hiking

本日は、最近購入したRoger WatersのアルバムBOXのレビュー何ぞをやってみたいと思います。このBOX自体は去年発売されたものなので、そこまで目新しいものでもありませんが、いかんせん収録されたブツたちのボリュームがものすごいので、結構ネタになりそうな感じです。



はい、まずこんな外観です。そしてこのボックスを開けると・・・?




こんな内容になってます。彼がPink Floyd脱退後にリリースした4枚のソロアルバムと2000年に行ったツアーを収録したライブCDとDVDが収録されています。全部で7CD+1DVDという大盤振る舞いです。そして、なにより気になるのはその価格!なんとこれだけ収録してあって3000円以下で購入できます!タワレコなどの大型CDショップで買おうとすると7000円くらいの値段がしたはずなので、amazonなどのネットショップを利用する事をおすすめします。実際、本国イギリスやアメリカでは日本円に換算して2000円〜3000円ほどで売られているようなので、amazonなどの方が正規の値段に近いってことですね。
では、収録アルバムを見ていきましょう。今回は写真の2段目中央に写っているアルバムからご紹介します(左上に写っているのはCDではなくBOXのブックレットなので関係ないです)。


・「The Pros And Cons Of Hitch Hiking」(邦題:ヒッチハイクの賛否両論) リリース:1984年


このアルバムは、ロジャー・ウォーターズがフロイドを脱退後、最初にリリースしたソロアルバムとして有名です(彼のソロアルバムの処女作自体はフロイド在籍時の1970年に発表した「肉体(ボディ)」という作品です)。録音にはあのエリック・クラプトンがギターで全面的に参加しており、アルバムでも随所に彼の味あるギターフレーズを聴く事が出来ます。特にアコギでそれが顕著ですね。スライドギターが生々しいです。

そんなアルバムですが、内容ははっきり言って結構暗いです。まぁ、ロジャー・ウォーターズはフロイド末期からその傾向が顕著でしたが、それをもっと暗くした感じです。このアルバムコンセプトは「精神を患った青年が午前4:30から5:11の間に見る夢を聴き手と同時進行に表現する」という難解なものであり、決して心地よい朝を迎えられそうな内容ではありません・・・。 実はこのアルバムには裏話があり、フロイド在籍時、「Animals」ツアーを終えて次のアルバム制作に取りかかった1979年、ロジャーは次回作のアルバムコンセプトとしてこの「ヒッチハイクの賛否両論」と「The Wall」二つの案をメンバーに提示しています。結果的に「The Wall」案の方が採用され、それは後期フロイド最大のヒット作としてロック史に名を残す事になりました。そんなある意味「ボツ案」を再び掘り起こして自分のソロアルバムとしてリリースした訳です。よっぽど本人が気に入っていたようですね。

サウンドはロジャーのソロアルバムにはおなじみですが、女性コーラス隊やSEを随所にちりばめながら、耳元でささやくようなロジャーの不気味なボーカルが響いてくる感じで、そこにクラプトンのギターを中心とした楽器隊が上手く乗っかっています。これはさすがといったところ。後にロジャーが出す別のソロアルバム「死滅遊戯」におけるジェフ・ベックの起用もそうですが、ロジャーは、名ギタリストの味を壊す事なく自分のアルバムコンセプトを忠実に再現させるのが上手いなぁと僕は感じます。やはりこれはフロイド時代にデヴィッド・ギルモアという名ギタリストと常に一緒にいた事も関係しているんでしょうかね?アルバム全体を包むどんよりとした雰囲気を上手くクラプトンのギターが手伝っています。そして同時にこれらの暗い曲達をなんとかギリギリメロディアスなものにしているのもクラプトンによるところが大きいです。ポップさははっきり言って皆無ですが、まぁ、ロジャー・ウォーターズのソロアルバムにそんなものを求めている人もまずいないでしょう。

各曲のクオリティは、ロジャーのソロアルバムにありがちな「酷い駄曲も見当たらない代わりにこれといって抜きん出た良曲もないかなぁ」という感じです。というよりアルバム全体で見た時の構成力の高さが凄いという感じで、個々の楽曲ではそもそも勝負すらしていないような印象すら受けます。実際全部聴き終えてみると、アルバムの内容上、少々疲れは感じるのですが、映画を一本見終わったような充実感を感じますwww


フロイドの有名アルバムを一通り聴いて、メンバーのソロ活動にも興味がでてきたら、おすすめですね。特にコンセプトアルバムが好き!という方には、ロジャー・ウォーターズは決して外せないアーティストの一人と言えます。

2012年7月27日金曜日

FUJI ROCK FESTIVAl 2012

というわけで今年参戦してきます!初フジ!自分は友人と一緒に2日目7/28に参戦です!
今日の夜に夜行バスで出発ですが、今から楽しみです!見たいアーティストいっぱいあるよ〜!^^

2012年6月17日日曜日

Be Here Now Live '97 Act.11

お久しぶりです。しばらくブログの更新が出来ませんでした。今回は久々にoasisのブートを取り上げたいと思います


「Be Here Now Live '97 Act.11」  2CD-R  録音:AUD/A+


Disc 1
1, Be Here Now
2, Stay Young
3, Stand By Me
4, Supersonic
5, Some Might Say
6, Roll With It
7, D'You Know What I Mean?
8, Magic Pie
9, Don't Look Back In Anger

Disc 2
1,Wonderwall
2, Live Forever
3, (Its Getting) Better Man!!
4, Champagne Supernova
5, Fade In/Out
6, All Around The World
7, Acquiesce


 1997年にリリースされた3rdアルバム「Be Here Now」に伴う世界ツアーは、9月8日のオスロ公演からスタートしましたが、今回ご紹介するブートは、9月23日の英国シェフィールド公演を収録したものでございます。
 シェフィールド公演は2日間行われ、2日間とも音源がリリースされていますが、初日22日の方の音源の音質が悪い一方、23日の方の音源は非常にクリアで安定した音質で聴きやすいです。多くのoasisブートファンの間でも、この日の音源はBe Here Nowツアーにおける代表音源の一つとされています。低音から高音まで綺麗に録れています。観客の歓声もものすごいです。
 パフォーマンスの方も文句ないです。ツアー序盤なので、リアムの声の調子も良いですし、テンションも高いです(リアム自身相当ノッていたのか、早くも5曲目の「Some Might Say」のアウトロでマイクを殴り倒してボコボコ蹴ってますw)。そして他のメンバーも、このツアー独特のかなり重厚なサウンドをバッチリ聴かせてくれます。やっぱりこの時期のネジが外れてぶっ飛んじゃってるようなテンションのoasisのライブは聴いていて本当にゾクゾクしますね(アホみたいな量の酒やドラッグのせいもあるのでしょうが)。本人達のノリが全く違います。この時期はブリットポップを通じてブリティッシュ・ロックの頂点に上り詰め、良い意味で彼らが調子に乗ってる時期ですし、2000年以降のoasisにはちょっと見られない雰囲気ですw

 欠点を挙げるとすれば、まず一曲目の「Be Here Now」の2:20辺りから別音源に数秒間だけ切り替わります。これは、このブートの元になった別のブートでここの部分が欠落していた為で、新たに別の音源を補填して欠落を埋めています。補填した箇所はさすがに聴いていてすぐに分かりますが、つなぎ目は丁寧ですし、補填に使われた音源も音質良いので、聴いていてストレスを感じる事はないでしょう。
 また、ほぼ全ての曲間に一瞬ですがカットがあります。これは録音者のマスターもそうなっていたのでしょうかね?真相は分かりませんが。

 個人的なオススメトラックは、Stay Young, Roll With It, D'You Know What I Mean?, Champagne Supernova, Fade In/Out, Acquiesceですね。特にリアムのノリの高さが感じられます。


 長らく廃盤になっていたこのブートですが、最近再発されたようで、入手が容易になりました。CD-Rブートですが、内容はかなり良いので、見つけたら即購入する事をオススメします!

2012年5月19日土曜日

狂気の祭典〜ライヴ・イン・グダニスク

お久しぶりです。ここ最近の記事では、Pink Floydを取り上げる事が多かったのですが、今回は、ロジャー・ウォーターズと共にフロイドの中心であったギタリスト、デヴィッド・ギルモアのタイトルをご紹介したいと思います。オフィシャルのライブアルバムです。

「狂気の祭典〜ライヴ・イン・グダニスク」  2CD+1DVD


DIsc 1
1, Speak To Me
2, Breathe (In The Air)
3, Time
4, Breathe (In The Air) (Reprise)
5, Castellorizon
6, On An Island
7, The Blue
8, Red Sky At Night
9, This Heaven
10, Then I Close My Eyes
11, Smile
12, Take A Breath
13, A Pocketful Of Stones
14, Where We Start

Disc 2
1, Shine On You Crazy Diamond
2, Astronomy Domine
3, Fat Old Sun
4, High Hopes
5, Echoes
6, Wish You Were Here
7, A Great Day For Freedom
8, Comfortably Numb

DVD
Part.1
1, Castellorizon
2, On An Island
3, The Blue
4, Red Sky At Night
5, This Heaven
6, Then I Close My Eyes
7, Smile
8, Take A Breath
9, A Pocketful Of Stones
10, Where We Start
11, Astronomy Domine
12, High Hopes
13, Echoes
14, A Great Day For Freedom
15, Comfortably Numb

Part.2
・グダニスク・ダイアリー(今回の「連帯」結成26周年記念ライブのドキュメンタリー)



2006年、デヴィッド・ギルモアは「On An Island」というソロアルバムを約22年ぶりに発表(解散したPink Floydのラストアルバム「対」のリリースを含めても12年ぶり)し、同時にライブツアーを3月からスタートさせました。そのツアーラストとして組まれた会場が、ポーランドはグダンスク造船所での屋外ライブです。このライブは、冷戦時にポーランドで結成された有名な労働組合「連帯」の創立26周年記念式典にギルモアが招待されたことから決定されたものです。そのため、同ツアーの中では特別なライブと位置づけられており、当日も5万人もの観客を収容したようです。(他の会場は数千人レベルのキャパの会場を使用)。さらにこの記念式典ライブの為に、ポーランド・バルト・フィルハーモニック交響楽団が演奏に参加しており、普段より何倍も豪華でスケールの大きい演奏を楽しめます。
そんな特別なライブを収録したこのタイトルですが、実はもうひとつ重要なポイントがあります。それは、Pink Floydのオリジナルメンバーであり、あの独特のフロイドサウンドを作り上げた中心人物、リック・ライトの人生ラストステージだったということです。彼は、このギルモアのソロツアーにキーボードで参加していました。このライブが公での最後のライブとなり、2年後に彼は癌で亡くなってしまいます。そんな2年後のことは微塵も感じさせない彼のライブでのパフォーマンスは、DVDで見ていると本当に泣けてきますね・・・。

当然このライブ盤も、そんな「特別」なライブにふさわしい豪華な仕様となっています。全世界で5タイプでの発売がなされ、そのうち日本盤が存在するのは2CD+DVDの「通常盤」と3CD+2DVDの「初回限定盤」の2タイプのようです。通常盤なのに2CD+DVDですからねぇ・・・。大盤振る舞いです!


肝心のライブの内容も本当に素晴らしいです。まず初めにPink Floydの超名盤「狂気」から何曲かを披露し、その後にソロアルバム「On An Island」のほぼ全曲を演奏。そして後半は歴代Pink Floydの名曲がずらりと並んでいます。特に「Echoes」と「Comfortably Numb」の出来は文句のつけようがないです。「Comfortably Numb」の要であるギルモアのソロも、この日はミスがないどころか、リスナーを惹き込むようなソロをガンガン聴かせてくれます。この2曲がDVDに収録されているだけでも「買い」です!
さらに2006年当時、初期のPink Floydの伝説のリーダー、シド・バレットが亡くなったというニュースを受けて、セットリストに彼のフロイド時代の名曲「Astronomy Domine」が追加されているのもレアと言えるでしょうね。この曲もDVDに収録されています。
ギルモアのソロアルバム「On An Island」自体は、曲を聴いたのがこれが始めてだったのですが、曲によってバンジョー、サックス、オーケストラなど様々なサウンドをフィーチャーしていて、思わず聴き込んでしまいますね。今度ちゃんとスタジオ版も買って聴いてみようっと。


豪華なライブを収録したCD2枚組に、当日のライブ映像15曲+このライブのドキュメンタリー約36分を収録したDVDがついてくるのですから、本当にたまりませんな。お腹いっぱいになれます^^

間違いなく「買い!」の作品です。純粋なライブ作品として極めて質の高いアルバムだと感じました。オススメ!

この日の「Echoes」の映像をネットで見つけたので貼っておきます。必見↓




2012年4月27日金曜日

Pink Millard

ちょっと日が空いてしまいました。申し訳ないです。ということで、これまた良いブツが手に入ったので、今回はPink Floydのブートを取り上げてみたいと思います。これでフロイドのブートをご紹介するのは早くも6回目になりますね。1975年4月26日のロサンゼルス公演を収録した「Pink Millard」というタイトルでございます。

「Pink Millard」  2CD  録音:AUD/S


Disc 1
1, Intro.
2, Raving And Drooling
3, You Gotta Be Crazy
4, Shine On You Crazy Diamond Part 1-5
5, Have A Cigar
6, Shine On You Crazy Diamond Part 6-9

 Disc 2
1, Speak To Me
2, Breathe
3, On The Run
4, Time
5, Breathe Reprise
6, The Great Gig In The Sky
7, Money
8, Us And Them
9, Any Colour You Like
10, Brain Damage
11, Eclipse
12, Echoes 

まず、このブートを作った業者(Sigmaレーベル)の説明文から↓

  「1975年第一次北米ツアーより5日連続で行われたロスアンゼルス・スポーツ・アリーナ公演の4日目、4月26 日のライブを超高音質オーディエンス録音で完全収録。「Pre-bootleg」と紹介された、近年新たに登場したマ イク・ミラードが録音したとされるマスターテープのDATコピーヴァージョンを収録。とにかくとてつもなく 音質が良い公演で昔からお馴染みのライブのマスターヴァージョンゆえに、ちょっとこれ以上はないような空 前絶後のサウンドで収録されています。若干のアナログノイズも含め、静かなところではアナログマスター特 有のヒスノイズも聴こえますが、とにかくこの1977年オークランドに匹敵する歴史期録音版を、鮮度を重視し たそのままの状態をディスク化してあります。(ただし、ピッチは完璧に補正済みです。)冒頭Raving And DroolingとYou Gotta Be Crazyにおける創造性に満ちた演奏と音楽的完成度は本当に素晴らしく、非公式音 源でありながら、全てのロック・ファンに聴いて頂きたいと切に感じる絶品のテイクを堪能できます。サウン ド・バランスもほぼ完璧で、4つの出音が有機的に絡み合い、独特のアンサンブルとグルーブをクリエイトし ていく様はまさに圧巻。 Shine On You Crazy Diamondの前半のお馴染みのギターノート4音がここまでド ラマチックに、そしてクリアーに収録されたテイクは他に無いでしょう。Have A Cigarを挟んで演奏されるこ の組曲は、その全てが至高の輝きに満ちており、特にギルモアのこの日のソロは呆気に取られるほどに凄いで す。後半の「狂気」も非常に安定した演奏が聴け、特にギルモアのギタープレイに関して「北米ツアー最高」 とマニア間でも評価されるこの日の演奏がここまで素晴らしいサウンドで録音されていたことは本当に感謝で す。Us And Themの5:01でテープチェンジのカットがありますがそれ以外は完璧に収録されています。冒頭3 分30秒のイントロパートからアンコールのEchoesまで、超高音質マスターサウンドで収録したハイ・グレー ドタイトルが200枚限定のプレスCDにてリリース決定です。」 


1975年のツアーは、第一部に後の「Animals」に収録される「Sheep」,「Dogs」の原曲をそれぞれ演奏し(当然ながら当時は未発表の新曲)、第二部にアルバム「炎」の代表曲を3曲、第三部にアルバム「狂気」の全曲完全再現、そしてアンコールに「Echoes」をプレイするというファンにはたまらないお腹いっぱいになれる豪華なセットリストで行われていました。

そして、このブートのタイトルにも表れているように、この日の公演は、マイク・ミラードという超凄腕のテーパーによって録音されたものが古くから知られています。上の業者の説明文にもあるように、その録音のマスターテープのコピーがこのブートに使われているようで、音質は、この日を収録した数ある既発ブートよりも上です。現時点ではこのタイトルが決定版でしょう(というよりマスターのコピーを使っているとされているので、これより上の音質を実現するのは、ほぼ難しいかと思います)。低音域から高音域まで完璧に捉えており、音が割れる事もありません。オーディエンスの歓声も耳障りでない程度にちょうど良いバランスで入っており、フロイドブートの頂点に君臨するのもうなずける話です。

肝心の演奏も素晴らしく、特に第二部の「Shine On You Crazy Diamond Part 1-5」、第三部の「狂気」完全再現ライブの部分は、パーフェクトと言える「お手本」のような演奏です。同じ1975年のツアーを超高音質オーディエンス録音で収録したブートで、これまた古くから有名なものに6月18日のボストン公演がありますが、それと比べてもはるかにロサンゼルス公演の方が出来が良いです。メンバーのノリが演奏にも表れているのが大きな違いと言えるでしょう。(ボストン公演は、メンバーがひたすら淡々と演奏している感じで、ノリが今ひとつなな印象を受けます)。曲と曲の間のMCでも珍しく饒舌です。
ただ、ラストのアンコールでの「Echoes」に関しては、そのノリのまま歌に突入していて、ハーモニーの部分がちょっと強引で荒いかな?とも感じますがww とはいえ、演奏の方は大きなミスもなく、ギルモアのギタープレイを中心に質の高いアンコールとなっていると思います。


 このように、何から何まで完璧と言えるタイトルなのですが、実は、つい先日廃盤となってしまったようで、今後の入手が一気に困難になってしまいました。この点だけは非常に残念です。しかし、全く別のブートレーベル(SHAKUNTALA)が最近になって同日のライブのブートを独自にリリースしたので、Sigmaレーベルの今回のタイトルにこだわらなければそちらでも良いかと思います。SHAKUNTALAレーベルの方の音源は未聴ですが、そちらも宣伝文句に「マイク・ミラードのテープからコピーしたファーストジェネレーションのソースを使用」と表記されていたので、後発のブートですし、よっぽどアホなブートメーカーでもない限り、音は「Pink Millard」に近いものだと思われます(ただし、SHAKUNTALAレーベルの方は、ジャケのセンスが最悪ですwww)。



というわけで、この日のライブは、別メーカーのブートを買ってでも聴くべき非常に豪華な演奏です。幸運な事に、良質な録音が数多く残されている1975年のツアーですが、やはりこの日の公演はその中でも別格と言えるでしょう。フロイドのブートは比較的高価なことが多いですが、十二分にその価値のある音源です。必聴!

2012年4月15日日曜日

Sweet Home Chicago 1981

2日連続でストーンズブートの紹介となりますね。本日は、名門ブートメーカーEmpress Valleyのブツでございます。


「Sweet Home Chicago 1981」  2CD  録音:SBD/A−, AUD/B


Disc 1
1, Under My Thumb
2, When The Whip Comes Down
3, Let's Spend The Night Together
4, Shattered
5, Neighbours
6, Black Limousine
7, Just My Imagination
8, Twenty Flight Rock
9, Going To A Go Go
10, Let Me Go
11, Time Is On My Side
12, Beast Of Burden
13, Waiting On A Friend
14, Let It Bleed

Disc 2
1, You Can't Always Get What You Want
2, Band Introductions
3, Little T&A
4, Tumbling Dice
5, She's So Cold
6, Hang Fire
7, Miss You (With Sugar Blue)
8, Honky Tonk Women
9, Brown Sugar
10, Start Me Up
11, Jumping Jack Flash
12, (I Can't Get No) Satisfaction
13, Star Spangled Banner

ストーンズは1981年に新作「Tattoo You」を発売すると、ライブツアーを開始しました。本作は11月24日のシカゴ公演を収録したブートになっています。このツアーの特徴として、「とにかく派手に、スケールデかく!」のイメージがあります。前回紹介した78年のシンプルな構成のツアーとはまるで真逆です。上のセトリを見ていただければ分かる通り、曲数も今までとは段違いに増えています。 また、ライブ会場はツアーを経るごとに大きくなっていきましたが、このツアーではほぼ全ての会場がスタジアムクラスとなりました。


そんな、ツアーを収録したこのブートですが、まず音質から語っていくことにしましょう。音源は基本的には安定して聴く事が出来るモノラルのサウンドボード音源です。「基本的に」と書いたのにはいくつか理由というか欠点があるためです。まず、各楽器の音量バランスがちょっと悪い事があげられます。全体的に低音寄り。とくにチャーリー・ワッツのバスドラの音がデカイです。そしてキースのギターが大きめに出力されているのは良いんですが、ロニーのギターがキースと比べて少し小さいです。モノラル音源ですので、全ての楽器やミックのボーカルが重なるシーンでは、彼のギターが少し埋もれ気味になってしまっています。そこらへんの音のバランスの悪さが聴いていて気になるかもしれません。

また、このサウンドボード音源、完全収録している訳ではなくて、欠落箇所があります。具体的にはDisc 1の1曲目「Under My Thumb」の頭から1分25秒あたりまで、「Time Is On My Side」2分16秒あたりからDisc 2の「You Can't Always Get What You Want」の1分38秒あたりにかけてです。これらの欠落部分には同日のオーディエンス録音を補填してつなげてあります。つまりその間にある「Beast Of Burden」、「Waiting On A Friend」、「Let It Bleed」に関しては丸々オーディエンス録音という事になります。ちなみに元の音源はさらに「Twenty Flight Rock」と「Going To A Go Go」の曲間が欠落しているようなのですが、このブートではその箇所の曲間はカットしています(滑らかにつないであるので違和感はありません)。この欠落部分の埋め合わせに使われているオーディエンス録音に関してなのですが、ステージから多少距離があるところで録音されたと思われるのですが、音が少し遠いです。また、会場の広さゆえかエコーがかかって音がぼやけてしまっています。マイクの周りにうるさい観客がいない為に、聴く分には大丈夫ですが、決して高音質な録音ではない為、この補填箇所に関してはオーディエンス録音慣れしていないとちょっと辛いかもです。


とまぁ、このブートの欠点を述べてきた訳ですが、決してダメダメなブートというわけでもありません。まず、さっき楽器の音のバランスが悪いと書きましたが、サックス、ハーモニカなどの楽器に関しては逆に驚くほどクリアにミックスされています。この日のライブには、Sugar Blueという黒人のハーモニカ奏者が「Miss You」に参加しているのですが、ここでのサックスと彼のハープのソロは絶品です。この曲は、このライブのハイライトの一つと言って良いでしょうね。「Brown Sugar」でのサックスも綺麗にきまってます。
そして、やはりシカゴという土地のせいでしょうか、気持ちよくノったテンポ良い演奏を聴かせてくれます。バンドの調子が良いのはやっぱりデカイです。1981年のツアーの中では、かなり高水準な出来のライブではないでしょうか?あまりにノったせいか、キースが「She's So Cold」にものすごく速いテンポのまま突っ込もうとしてあわててやり直すという面白いミスも見られますwww
さらにCD-RではなくプレスCDにもかかわらず安価という事も見逃せません。BFでは新品で1000円でセールされています。Empress Valleyのブートがこの値段で買えることはなかなかありませんからお得と言えます。確かに欠点はありますが、「基本的に」安心して聴ける音源ではありますので。


というわけで、1981年の代表的なライブを安価にプレスCDで入手できることもあり、なんだかんだでおすすめのブートです。

2012年4月14日土曜日

Keeping It Simple

お久しぶりです!今回は、久々にストーンズのブートでも扱ってみましょうかね。


「Keeping It Simple」  2CD  録音:SBD/A+


Disc 1
1, Let It Rock
2, All Down The Line
3, Honky Tonk Women
4, Star Star
5, When The Whip Comes Down
6, Lies
7, Miss You
8, Beast Of Burden
9, Just My Imagination

Disc 2
1, Shattered
2, Love In Vain
3, Tumbling Dice
4, Happy
5, Sweet Little Sixteen
6, Brown Sugar
7, Jumping Jack Flash


ストーンズは、1978年6月10日からアルバム「Some Girls」発売に伴う北米ツアーをスタートさせました。今回ご紹介するブートに収録されているのは、7月6日のデトロイト公演をメインに収録したものになります。このツアーでは、当時流行っていたパンク・ロックを意識して、それまでのツアーで引き連れていたブラスやパーカッションなどのバックメンバーをほとんど外し、サポートはピアノだけというシンプルなステージを展開しました。そのぶん、キースやロニーのギターが非常に冴えており、ミックもワイルドな感じを意識した歌い方をしていて、荒々しい感じがたまらないツアーですね。


今回のブートの元となった音源は、2007年に「Wolfgang's Vault」というインターネットサイト上に突如アップされたサウンドボード音源を使用しています。非常に安定した高音質な音源で、高音がほんの少しシャリシャリしている感じがしますが、演奏中はほとんど気になりません(曲間のオーディエンスの歓声の部分で少し気になるくらい)。どうやら、元の音源にこのブートを発売した業者が独自にイコライジングをかけて調整してくれているようです。またピッチが少し早いですが、正直、気にならないレベルです。

ところで、ラスト3曲に関してなのですが、上のブート紹介で「デトロイト公演をメインに収録」と書いたように、この3曲だけは7月19日のヒューストン公演からの音源となっています。どうやら「Wolfgang's Vault」にアップされた時点からこの音源が使われていたようなので、デトロイト公演が完全収録されていないという点では少し残念ではあります。そのせいで、ジャケットにも全編デトロイト公演と記載されるミスが起きています。そしてヒューストン公演も基本的には安定した高音質サウンドボード音源とは言えるものの、デトロイト公演に比べるとほんの少し音質が劣ります。とはいえ、二つの公演はスムーズにつながれており、普通に聴いているとつなぎ目は分からないです。


肝心の演奏についてですが、この日はキースの演奏ミスも少なく、ロニーとのギターの掛け合いが随所で楽しめるライブとなっています。突っ走るような荒々しい演奏がとってもイカしていて、何回も聴いちゃいますね!まさにロックンロールという感じ。「Miss You」でのピアノのリフに二人が絡んでネチネチと弾かれるソロや、「Brown Sugar」の原曲におけるSaxソロの部分をロニーがギターで弾いているシーン、チャックベリーのカバーである「Sweet Little Sixteen」なんか特にたまりません。
さらにこのツアーでは、キースがエフェクターを使う曲があり、これはかなり珍しいと言えます。「Beast Of Burden」、「Just My Imagination」、「Shattered」の3曲でコーラスエフェクターを使用しています。別の公演では、扱いに慣れないらしく、つまみをひねりすぎたりしてしまっていたようですが、この日のライブでは、きれいにエフェクトがかかっています。
ミックのボーカルも荒々しく、随所で放送禁止用語を発するほどのワイルドっぷり。全曲通して彼のノリノリのボーカルが楽しめますwww
このライブで個人的に好きなトラックは、「All Down The Line」、「Miss You」、「Tumbling Dice」、「Happy」、「Sweet Little Sixteen」、「Brown Sugar」、「Jumping Jack Flash」ですかね。



シンプルさを追求した結果、The Rolling Stonesのバンドとしてのロックンロールな面が改めて強調されていて、個人的にはお気に入りのライブです。さらにこのブート、非常に丁寧な作りにも関わらず、同公演を収録したブートが同時期に別レーベルからもいくつか発売されたせいか、当初からかなり安価な価格で販売されており、かなりお得と言えます。BFでは1000円で販売されています。プレスCDですし買って損はないブートですので、非常にオススメです!^^

2012年3月18日日曜日

BBC Archives

Pink Floydのブートを語る上で外せない超定番ブートというのがいくつか有るのですが、今回はその中でも1970年と71年のロンドンにおけるBBCライブを収録した「BBC Archives」というブートをご紹介します。


「BBC Archives」  2CD-R  録音:SBD/A+


Disc 1 (Live At Paris Cinema, London, July 16, 1970)
1, John Peel's Intro
2, Embryo
3, Fat Old Sun
4, Green Is the Colour
5, Careful with That Axe, Eugene
6, If
7, Atom Heart Mother

Disc 2 (Live At Paris Cinema, London, September 30, 1971)
1, Fat Old Sun
2, John Peel Announcement
3, One Of These Days
4, Embryo
5, Echoes
6, Blues


音質は、BBC音源という事で文句なしの超高音質サウンドボード音源。ちょっとリマスタリングをかければ普通に正規盤として売れるレベルの音質です。どちらの公演のセットリストも当時の彼らの代表曲ばかりなので、フロイドのブート初心者の方でも安心して買える選曲ですね。


2つの公演の音についてより細かく述べるとしましょう。
まずDisc 1の1970年の公演は、各楽器はかなりクリアーで、音の分離も良いものの、ほんの少しだけギルモアのギターが他の楽器に比べて小さめに収録されています。十分彼のギターは聴こえるのですが、気持ちもう少し大きめでも良かったかなぁと。逆にロジャーのベースとニックのドラムは少し手前に聴こえます。また、全ての音が重なると、シャリシャリした音が聴こえる箇所もたまにあります。そして「原子心母」の途中にはほんの一瞬だけノイズが入っているところがあります。
とはいえ、ここまで来ると粗探しレベルの細かさです。普通に鑑賞する分には、全く問題のない綺麗な音質なので大丈夫ですよ。

続いてDisc 2の1971年の公演について。
こちらは、Disc 1よりもさらに音の分離が良く、クリアーさでも勝っています。ヘッドホンで聴くと分かりやすいのですが、各楽器の音は、左にギター、中央にドラムとベース、右にキーボードという定位になっています。そのためリック・ライトのキーボードの細かい動きや音量を下げている演奏の箇所までしっかり聴く事が出来ます。ちなみに「Embryo」の1分経つ直前あたりでノイズが有ります。


では、肝心の演奏について。ぱっと聴いた限りだと、いつものライブでの彼らに比べてやや演奏がおとなしい印象を受けました。派手な事はそこまでせずに、堅実に演奏を進めている感じです。しかし、それでもリックのキーボードはかなり頑張ってる印象を受けました。
Disc 2の「One Of These Days」では、曲中最大のポイントであるニックの不気味なシャウトが入っていません。その代わり曲が終わった最後の部分にそれが入っています。この時期のの意図的なライブアレンジかどうかは分かりませんが、個人的にこの部分は正直マイナスポイントです。あの叫び声にたどり着くまでの不気味な感じとその後の開放されたかのような激しい演奏という対照的な2つの曲調がこの曲のミソなので。

とはいえ、このブートの最大の売りはDIsc 1の「原子心母」とDIsc 2の「Echoes」の2曲でしょう。「原子心母」は、スタジオ版と同じオーケストラ&合唱団付きのバージョン。4人の演奏にオケの分厚くも繊細な演奏が加わって、圧巻の出来になっています。まさに壮大(演奏時間25:05)。オケ&合唱団付きのバージョンの「原子心母」は、スタジオ版以外では、費用の関係上20回程度しか披露されていないようです。当然このバージョンでのライブ演奏は、ブートでしか聴けません。この貴重な演奏をBBC音源という超高音質で楽しめる訳ですから、これだけで元が取れるブートですww
さらに71年の方で披露されている「Echoes」は、超クリアな音質のおかげで、曲中での各自の役割が分かりやすいです。特にギルモアとリックがガンガン引っ張っていく演奏はたまりませんな。26分半もある演奏ですが、静と動の対比が素晴らしく、一瞬たりとも聞き逃せません。個人的にこの日の「Echoes」は、71年の数ある演奏の中でも一番好きです。オフィシャルライブDVD「Live At Pompeii」に収録されている同年の「Echoes」よりも好きですね。


というわけでこのライブ音源はあまりにも有名な為、複数のブートレーベルから何回もリリースされてきました。なので入手も簡単です。元が超高音質なので、基本的にはどのメーカーのタイトルでも安心して聴けると思います。オススメです!!!


追記:調べたところ、この音源疑似ステレオだそうです。つまり真にステレオで収録されたわけではないってことですね。しかし、違和感ゼロですし、むしろこっちのほうが聴きやすいかもです。別の盤では、モノラル盤もリリースされているようです。

2012年3月12日月曜日

THE NIGHT TURNS AROUND GOLD

えー、今回もPink Floydネタでございます。これまた定番と言われる良いブートを入手しましたのでww


「THE NIGHT TURNS AROUND GOLD」  2CD-R  録音:AUD/A+


DIsc 1
1, Careful With That Axe, Eugene
2, Fat Old Sun
3, Atom Heart Mother
4, The Embryo

Disc 2
1, Set The Controls For The Heart Of The Sun
2, Cymbaline
3, Blues


まずこのブートの最大の売りは、その驚異的な音質。以前同じ1971年のフロイドの高音質ブートとして、箱根公演のブートをご紹介した事が有りましたが、あれよりもダントツに音質は良いです。一聴しただけでは、オーディエンス録音ではなくサウンドボード音源と言われても分からないほどです。たまに音が少々右にずれたりするのでオーディエンス録音だと分かるのですが、ほとんどは音が綺麗にステレオにセパレートされていて、なおかつ各楽器の音量もバランス良く捉えています。まさに「完璧な音質」と言えますね。

さらに注目すべきポイントとして、この日はバンドの調子がかなり良く、演奏の質が同年の他のライブと比べても高いことが挙げられます。一曲目の「ユージン、斧に気をつけろ」からラストの「Blues」に至るまで、隙のない一体感ある演奏を見せてくれます。目玉曲「Atom Heart Mother」もバンドバージョンで演奏するのに慣れてきたおかげか、いつもよりかなりギルモアのインプロが冴えています。ここまでメンバーの息がぴったりあったライブも正直珍しいんじゃないでしょうか(この日は演奏曲にインスト曲が多いというのもその理由の一つかもしれません)?ww
聴いていて全く飽きない、ワクワクゾクゾクするような演奏が楽しめます。


欠点と言えば、録音テープのチェンジがThe Embryoの頭に行われているようで、「原子心母」からの繋がりが若干不自然になってしまっているという点と、プレスCDではなくCD-Rだ、ということくらいでしょうか。ジャケの印刷もそんなに酷い印刷ではありませんでした。
また、この年はライブで「Echoes」をラストに演奏している事が多いので、もしかしたら「Blues」でライブは終わっていなかったのかもしれません(このブートでは、「Blues」演奏終了後にオーディエンスの歓声が徐々にフェードアウトしながら収録が終わっています)。そこの真相まではちょっと分かりませんが、もしそうならば、素晴らしい音質でぜひともこの日の「Echoes」を聴いてみたいものです!


入手に関しては、あまり見ないので少々難しいかもしれませんが、このブート自体はそれほど高価ではないと思うので、1971年のライブ決定版としてご購入をオススメします!!!Atom Heart Mother
youtubeで発見したこの日の音源を貼っておくので、参考にしてみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=BscvdRT3hmI

2012年3月3日土曜日

Boston 1976

えー、つい先日すんごいブートを入手してしまいました。「Boston 1976」というタイトルのブートで、The Whoが1976年3月9日と4月1日に行ったボストン公演の模様を両日収録したものになります。とにかく度肝を抜かれたブートなので、ご紹介しなければと思った次第であります。


「Boston 1976」  プレス2CD  録音:AUD/A+


Disc 1
1, I Can't Explain
2, Substitute
3, Keith Moon Passes Out
4, I Can't Explain
5, Substitute
6, My Wife
7, Baba O'Riley
8, Squeeze Box
9, Behind Blue Eyes
10, Dreaming From The Waist
11, Magic Bus

Disc 2
1, Amazing Journey
2, Sparks
3, Acid Queen
4, Fiddle About
5, Pinball Wizard
6, I'm Free
7, Tommy's Holiday Camp
8, We're Not Gonna Take It/See Me,Feel Me
9, Summertime Blues
10, My Generation/Join Together Blues
11, Won't Get Fooled Again


この公演は上述の通り、2つの公演を収録したブートになりますが、3月9日の方のライブはDisc 1の最初の2曲のみです。どういう事か理由を説明しますと、元々4月1日の方のライブは予定されていなかったのです。実は3月9日のライブで、2曲目の「Substitute」の演奏を終えた時に、ドラムのキース・ムーンがドラッグのオーバー・ドーズで倒れてしまい、ライブが中止になってしまったからなんですね。4月1日のライブはそのお詫びとしての振替ライブに当たります。このブートではその生々しい緊迫した状況をリアルに捉えています。1曲目の「I Can't Explain」は何事もなさそうな演奏なのですが、「Substitute」を演奏し始めた直後にいきなりキースのドラムのテンポがガクッと落ちて、かなりもたった演奏になってしまいます。そのテンポのまま一応曲を演奏し終えるのですが、直後キースが気絶してしまいます。このブートではオーディエンスの話し声も鮮明に捉えており、「ドラマーがいなくなったぞ!」「あいつ気絶してやがる!」「キースが倒れたんだ!」などの会話が聞こえます。会場がブーイングとともにかなり緊迫した状態になっているのが聴いていてすぐ分かります。それから一旦録音が切れて、ボーカルのロジャー・ダルトリーがステージに出てきて状況を説明するところから録音が再開されています。ロジャーは「キースがインフルエンザで倒れた。申し訳ないがこれ以上ライブを続ける事が出来ない。戻ってきて振替公演を行う」(インフルな訳ねーだろw)と説明をし、大ブーイングのオーディエンスに謝罪しています。その後はオーディエンスの混乱したような会話が数分に渡って収録されており、そこで3月9日の方のライブの録音は終了しています。
その結果いかにもキースらしい事情で行われたのがもう一つの4月1日のライブです。こちらは、録音者のテープチェンジの瞬間を除いてはほぼ完全にライブが収録されています。


そして、このボストンでの特別な2つのライブを録音したのはダン・ランピンスキーという人物。彼が様々なアーティストの公演(主にアメリカ東海岸付近の都市でのライブ)を録音していたのは1974年頃〜1978年頃という短い期間なのですが、この人が録音したブートは凄まじく音質が良い事が多く、ブートマニアの中でも彼の録音は非常に重要視されています。その中でもThe Whoのこの2つの公演(特に4月1日の方)は特に音質が良く、ラインのサウンドボード音源と聴き間違えるようなクリアで広がりのあるステレオ録音は、1976年という年代を考慮しても本当に凄まじいです。彼がこの時期に録音したThe Whoの他のライブで有名なものには、1975年のスプリング・フィールド公演と1976年のプロヴィデンス公演が高音質音源として残されていますが、このボストン公演の驚異的な音質は、その両者の音質を軽く一蹴するレベルと言えますね。低音から高音まできっちり録られています。音が潰れてしまったり、遠くなったりするような状況もほとんどありません。


さらにこのライブを特別なものにしているのは、なんといってもバンドの出来。特にキース・ムーン!!汚名挽回と言わんばかりに1曲目の「I Can't Explain」から叩く叩く!ドカドカバカバカとドラムを打ち鳴らす彼のこの日の出来は、同年の彼の他のライブと比べてみてもパーフェクトな出来と言えますね。「Baba O'Riley」などでよくある彼のドラムのもたつきもこの日は皆無で、鋭いフィルインを随所でかましてきます。よく『キース・ムーンは確かに天才的なドラマーだけど、「Who's Next」をリリースした1971年以降、彼のドラムテクは格段に落ちていった」などと言われていますが、この日の彼のプレイはまさに「天才キース・ムーン」にふさわしいものだと断言できますよ!ツーバスを連打しながら彼の周りに無数に並べられたタムを縦横無尽に叩きまくっています。ラスト曲「Won't Get Fooled Again」のラストの彼のドラムソロもいつも以上に激しく叩いているのが分かりますね。
そして、そんなバンドの出来に答えるかのようにオーディエンスも超盛り上がっています。「My Wife」ではオーディエンスの一人が “It's so spectacular!”と叫んでいるのが印象的です。またBaba O'Rileyを演奏し終えるとロジャーが「こんなに大きい歓声は今ツアーで一番だ!」と発言しています。
もちろんギターのピート・タウンゼントとベースのジョン・エントウィッスルのマジキチな演奏も健在。「Magic Bus」や「Sparks」、「My Generation」では、キースのドラムと共に彼らのアドリブ満載の演奏を楽しむ事が出来ます。


ちなみに、4月1日の公演に関しては、ラスト3曲のみダン・ランピンスキーの録音ではありません。この日を別音源で収録したブート「Behind Blind Eyes」の音源を使って補填しています。ダン・ランピンスキーの録音に比べると少し音質が落ちますが、それでも十分に高音質で聴きやすい音源ですね。


そして欠点と言えるかどうか分かりませんが、「My Generation〜Join Together Blues」のメドレーの部分では珍事件が。「My Generation」から「Join Together Blues」に演奏が移ったところでなぜかいきなりピートが激怒。怒鳴って他のメンバーの演奏を止めさせます。キースなどと少しの間口論しているのが聴き取れます(しかしオーディエンスはそんな事おかまいなしに盛り上がってますww)。その後は何事もなかったかのように「Join Together Blues」の演奏を再開。そこのアレンジもいつものメドレーと異なっている点がいくつもあり、非常に興味深いです。



The Whoのライブ・ヒストリー史上重要な記録とその後の名演が、超がつくほどの高音質オーディエンス録音で楽しめ、しかもプレスCDで収録されているとあれば、買うしかありません。本当に完璧なタイトルです。僕自身、このタイトルは自分が持っているoasisなどの他のアーティストのブートや音源を含めても段違いでトップだと考えています。買ってから数日経ったんですが、何回も何回も聴き直してます。文句の付けようがマジでないんですよ。残っている枚数がかなり少なくなってきているようなので、お早めの入手をオススメします。

4月1日の公演は、どこをとっても出来が良いのですが、特におすすめトラックを挙げるとするならば、「My Wife」、「Baba O'Riley」、「Magic Bus」、「Sparks」、「My Generation/Join Together Blues」、「Won't Get Fooled Again」ですかね。この日の主役、キース・ムーンのプレイが存分に味わえますよ。

2012年2月28日火曜日

The Undertaker

今回ご紹介するブートは、「The Undertaker」というブートです。アーティストはBlind Faith。エリック・クラプトンとスティーブ・ウィンウッドが1969年に数ヶ月だけ結成した伝説のバンドですね。昨年の二人のジョイント来日公演は本当に素晴らしいものでした。
今回のブートはそんなバンドの1969年6月18日、スウェーデンはイエテボリ公演を収録したブツとなっております。

「The Undertaker」  プレス1CD  録音:AUD/A+


1, Well All Right
2, Sleeping In The Ground
3, Sea Of Joy
4, Under My Thumb
5, Can't Find My Way Home
6, Do What You Like
7, Presence Of The Lord
8, Means To An End
9, Had To Cry Today


彼らの唯一のアルバム「Blind Faith」からの収録曲を惜しみなく披露していますね。ストーンズのカバーを披露してるとこもなかなか良いです。
しかし、このブートの売りはなんといっても驚異的な音質!オーディエンス録音ながら、この時代のオーディエンス録音にありがちなモコモコした団子状の音ではなく、音が綺麗にステレオにセパレートされていて非常に聴きやすいです!かなりステージに近いところで録音されたのか、序盤音が割れ気味なとこもありますが、バンドの演奏をダイレクトに感じる事が出来ます。オーディエンスの歓声も演奏中は聴こえず、曲間でしっかり聴こえる感じで、程良いですね^^

肝心のバンドの演奏の方も、クラプトンの生々しいギターとスティーブのハモンドオルガンを中心にクオリティ高い演奏を見せており、聴き所満載です。具体的にちょっと挙げるとするなら、

・Sleeping In The Groundのクラプトンの1分半あたりからのギターソロとそこからのスティーブとの絡み。この辺は彼らにとっては十八番のような感じで演奏も手慣れた感じ。
・Sea Of Joyのスタジオ版よりもヘヴィーなアレンジ。スタジオ版が5分22秒ほどなのに対し、こちらのライブ版は9分以上。6分をちょっと過ぎてスティーブのボーカルが終わったあたりからの流れるようなジャム。
・ストーンズのカバーであるUnder My Thumbでは、オリジナルとの違いを聞き比べてみるのが面白いです。これもBlind Faithの方がオリジナル版より2倍以上長くなっています。アレンジの違いはもちろんの事、よりテクニカルな演奏が聴けます。
・スタジオ版と違ってエレクトリックなアレンジになっているCan't Find My Way Home。スタジオ版よりもロック色がかなり強め。個人的にはスタジオ版の美しく切ないアレンジの方が好みですが、スティーブのキーボードソロなど興味深いアレンジが随所にあります。
・Do What You Likeは、見せ場となる各楽器のソロが回されていく展開が面白いですね。キーボード→ギター→ベース→ドラムの順番で各自のソロが回されていきます。ここの部分のインプロは、彼らのライブにおけるハイライトでしょうね。特にジンジャー・ベイカーの6分以上もあるドラムソロなんてマジで鳥肌たちます!
・ライブの〆にふさわしい曲はやっぱりHad To Cry Todayでしょう!クラプトンの荒っぽく弾くギターソロが心行くまで楽しめます。

Blind Faithというバンドは、よく「Cream時代に比べてクラプトンのギターがおとなしい」だとか「ジンジャー・ベイカーのドラムは、Cream時代とあまりにも違いがなさ過ぎる」なんて言われたりもしてるみたいですが、やっぱすげーよ、このバンドww
こうして彼らが実際に活動していた時のライブを聴くと、その場の緊張感がそのまま感じられるようでたまりません。かっこ良すぎる。

このブート、クラプトン関係では超有名なMid Valleyというメーカーがリリースしております。本当に全編聴き逃せない素晴らしいライブなので、見つけた際はぜひ!!!

2012年2月25日土曜日

Night With Heartbreaker / Three Nights In A Judo Arena / All Around The World 1998

はい、本日はフロイドではなく、oasisブートの方に話を戻してみたいと思いますw

今日紹介するのは「Night With Heartbreaker」という1998年の来日武道館公演3日間の最終日をオーディエンス録音で収録したブートです。

「Night With Heartbreaker」  2CD-R  録音:AUD/A+


Disc 1
1, Be Here Now
2, Stand By Me
3, Supersonic
4, Roll With It
5, D'You Know What I Mean?
6, Cigarettes & Alcohol - Whole Lotta Love (Riff) - Heartbreaker (Guitar)
7, Don't Go Away (Noel Acoustic)
8, Help! (Noel Acoustic)

Disc 2
1, Setting Sun/Fade In-Out (Noel Acoustic)
2, Don't Look Back In Anger
3, Wonderwall
4, Live Forever
5, Champagne Supernova
6, Acquiesce


セットリストを見てみると、前日と比べて途中のノエルのアコースティックコーナーでプレイされていたTalk Tonightがセトリから外されているのが分かりますね(前日のライブについては、数日前に書いたD'You Feel Daydream? -Revisited-の項を参照の事)。さらにIt's Gettin' Better (Man!!)もこの日のみセトリから外されています。


というわけで肝心の中身を見てみましょう。まず音質についてですが、低音から高音まで非常に綺麗に録音されています。バスドラなども音割れを起こさずに録れていますし、オーディエンスの歓声も奥行きがあって、まるで自分がその場にいるかのような臨場感がありますね。Don't Go Awayなどでは、オーディエンスの大合唱もきちんと聴き取る事が出来ます。武道館という劣悪な音響環境の中で、よくここまで綺麗に録音できたもんだなと感心しちゃいますww
そして、ライブの中身ですが、この日は本当にノエルがキレキレで爆発していますね。はっきり断言してこの日の主役は完全にノエル。この日のライブは「名演」と評されたりしていますが、その8割くらいの理由はノエルでしょうね。このツアー以降のノエル(現在含む)は、もうこんなすごいギターソロ聴かせてくれないですからねぇ・・・ww
それを一番感じ取る事ができるのは、Champagne Supernovaですね。なんと演奏時間12分!リアムの歌が終わるのが曲の半分よりちょい手前あたりで、そこからはずっとノエルのギターソロが続きます。本当に凄いです。特に途中からアランのドラムがテンポアップしたところ!当然の事ながらこの日のChampagne Supernovaは今までプレイされてきたChampagne Supernova史上最長でしょうね。oasis史に残る名演奏の一つと言っていいでしょう。

対照的にリアムの方は、3日間連続でライブを行ってきた事もあって声が少々荒れており、Live Foreverなどはかなり辛そうです。それでもバンド全体は安定した演奏を見せており、Cigarettes & Alcoholでは曲の後半からLed ZeppelinのWhole Lotta Loveのセッション、さらには曲の最後にHeartbreakerのメインリフを弾いています。Heartbreakerのリフが弾かれたのはこの日と香港公演の2日間のみなので、この構成のCIgarettes & Alcoholは激レアと言えます!


ジャケットのアートワークもシングルAll Around The Worldのジャケットをいじった作りとなっていて凝ってますw
そういう意味でも外観・中身共に非常に優れたブートレグだと言えるでしょう。今でも時々ブート屋で見かけますし、入手難易度は高くはないと思うので、超オススメです!!



ちなみにこの日のライブは、WOWOWで放送されており、その映像から音声を落としたサウンドボードのブートがいくつか作られています。それもついでに紹介しておきましょう。

「Three Nights In A Judo Arena」  プレス2CD  録音:SBD/A−


セトリは当然ながら、上のブートと同じですが、ボーナストラックが着いているのがこのブートのセールス・ポイントと言えるでしょう。まず、このライブの前にノエルが出演したロンブーの「まぶだち」という番組におけるDon't Go Awayを収録。ライブと同じアコースティックバージョンで歌っており、亮さんの興奮した様子も収録されていて、良い雰囲気です。
そして別のツアーにはなるものの、1995年の来日公演うち、恵比寿ガーデンホール公演からSupersonicとHelloの2曲をクリアなサウンドボード音源で収録。さらには、この3日間連続武道館公演のうち、初日の公演からIt's Gettin' Better (Man!!)をオーディエンス録音で収録。この曲は最終日はプレイされなかったのでありがたいですね。

音質の方は、鑑賞には問題がないレベルなものの、サウンドボード音源にしては幾分こもり気味で、決してクリアとは言えません。また所々でノイズが入るのも気になりますね。AUDかSBDのどちらを選ぶかは、好みの問題とも言えますが、このブートは入手も困難なブートなので、そこまで気にする必要はないかなぁとも思います。


ちなみにWOWOWの映像の方は、「All Around The World 1998」というDVD-Rのブートで見る事が出来ます。

「All Around The World 1998」  1DVD-R  画質:PRO/A


このブートは作成時に業者独自のリマスタリングが施されたのか、それまでの武道館最終日を収録した別のブートよりも画質・音質共に優れています。さらに同年3月のチリ公演も同じくプロショットで完全収録してあり、かなりお得なブートと言えますね。チリ公演の画質は武道館公演の映像よりは劣るものの、ノエルの弾き語りによるLive Foreverや、セトリの最後に新たに追加されたI Am The Walrusのカバーなど、武道館にはないポイントもいくつかあって良い感じです。他にもWOWOW放送時にライブの合間と最後に挿入されたノエルのインタビューや、上で紹介した「まぶだち」出演時の映像も完璧に収録されていて、このブート一枚でかなり充実した内容になっています。入手難易度は高くありませんので、これもオススメです!^^

2012年2月23日木曜日

Welcome To The Machine

本日もフロイドネタです。ご了承下さいw
今回ご紹介するのは、1977年のアニマルズ・ツアーの中から5月9日に行われたオークランド公演を収録したブート「Welcome To The Machine」です。

「Welcome To The Machine」  プレス2CD  録音:AUD/A+


Disc1
1, Sheep
2, Pigs On The Wing Part 1
3, Dogs
4, Pigs On The Wing Part 2
5, Pigs (three Different Ones)
6, Shine On You Crazy Diamond Part 1-5

Disc2
1, Welcome To The Machine
2, Have A Cigar
3, Wish You Were Here
4, Shine On You Crazy Diamond Parts 6-9
5, Money
6, Us And Them
7, Careful With That Axe Eugene


構成としては、まずツアーの目玉である「アニマルズ」全収録曲の再現演奏(ただしアルバム収録順とは異なった曲順)、次に当時の一つ前のアルバムの「炎」全収録曲の再現演奏、そして最後にMoneyとUs And Themのような定番曲を追加で演奏する、というのがこの年のセトリの基本的な流れだったようです。場合によっては最後にプラス1曲演奏していた場合もあったようで、このオークランド公演の場合は「ユージン、斧に気をつけろ!」が演奏されていますね。

で、肝心のこのブートの中身なんですが、古くからフロイドブートの定番中の定番とされてきただけあって、所々にヒスノイズや軽い音飛びはあるものの、非常にクリアで聴き応えのある高音質オーディエンス録音です。各楽器の音の分離も綺麗ですし、オーディエンスの歓声もきちんと捉えており、盛り上がった会場の様子がとても良く分かります。

この日のライブの面白い点として、Have A Cigarの最後のアウトロでラジオニュースのようなSEが流れるシーンがあるのですが、この日はなんとThe Rolling StonesのYou Can't Always Get What You Wantのイントロが挿入されています!^^
また、同曲の途中でいきなりロジャーとギルモアの二人が歌いながら笑い始めてしまうという面白いハプニングも聴く事が出来ますw

そしてなにより良いのは、ライブ前半の「アニマルズ」の再現演奏!アルバム発売から数ヶ月経ち、演奏もこなれてきたせいか、非常に質の高い演奏を見せています。この日の「アニマルズ」は、このツアー屈指の出来と言っても過言ではないでしょうね。


しかし、一方で欠点も。前述のように「アニマルズ」の方の演奏は素晴らしいのですが、「炎」の方はボーカルの最中に笑い出してしまった点もそうですが、幾分リラックスしすぎている感が否めません。ボーカル二人のタイミングもずれてしまったり、精彩を欠いています。
また、「炎」の方の演奏になると細かい音飛びが多くなってきます。要所要所で断続的に細かい音飛びが発生するので、この時代のAUD録音に慣れていないと気になるかもしれません。


しかし、その後のラスト3曲での巻き返しはものすごく、特に「ユージン、斧に気をつけろ!」の迫るような演奏は、本当に素晴らしいです。「炎」でのグダグダっぷりが嘘のようですww

というわけで、「炎」の演奏がいまいちの感はあるものの、全体的には驚異的な音質で録音されていますし、「アニマルズ」の演奏に関しては一聴の価値有りです!プレスCDという点もポイント高いですね!
割と昔からある名盤ブートなため、今ではかなり安価に入手する事が可能です。入手難易度も高くないのでオススメです!!^^
最後にこの日の同音源をyoutubeで発見したので貼っておきます。参考にどうぞ。1977年のAUD録音とは思えない驚異的な音を聴いてみてくださいww
http://www.youtube.com/watch?v=YJp51wWQBG4