2012年8月4日土曜日

Amused To Death

はい、てなわけでRoger Waters Album Collectionの解説どんどん行っちゃいます!今日は彼が1992年に発表したアルバム「Amused To Death」をご紹介!



「Amused To Death」(邦題:死滅遊戯) リリース:1992年


いんやぁ、すんごいタイトル・・・ww
Pink Floydというバンドもそうですが、デヴィッド・ギルモアのソロ作品も含めてなぜか厨二病みたいな邦題が多いような気がしますw
ただ、このロジャーのアルバムに関しては原題とそれほど離れていないので上手い訳し方だなぁと担当の方のセンスを感じますね!

アルバムの内容はというと、相も変わらずロジャー大先生のアルバムですからものすごく暗い内容です。テーマは『TVというメディアは、当時の天安門事件や湾岸戦争などに代表される多くの政治・社会問題をエンターテインメント化してしまった。人々はテレビを通じて戦争を「観戦」する。結局人々は遊び尽くして滅びるのだ。』というもので、テレビ(メディア)が社会にもたらした弊害と一般人のその姿勢をを痛烈に批判しています。このコンセプトはかなりの高評価を得たようで、「(フロイド時代の)The Wall以来の傑作」とも評されました。実際、ロジャー自身もかなり手応えを感じていたらしく、「このアルバムが200万枚売れたら世界ツアーを開始する」との声明を発表。

さらにこのアルバム、あのジェフ・ベックがギターで全面的に参加しております。これが超効いてる!アルバムの質を飛躍的に上げていますね。2曲目「What God Wants, Part I」などに代表される彼のギタープレイはさすがの一言です。不安げな曲調からハードロックな曲までロジャーの表現欲求に見事に応えている気がします。こうして見ると、「ヒッチハイクの賛否両論」におけるクラプトンの採用もそうですが、ロジャー・ウォーターズという人の人脈にはホント驚くばかりです。



と、まぁここまでは良い事ずくめのようなんですが・・・。

やはり、というべきかセールスが・・・。上にも書いたようにロジャー本人は200万枚ほど売れる事を期待していたのでしょうが、実際は1/4の50万枚ほどだったそうです。当然のごとく、ツアーはお預け。極めて質の高い(事実ロジャーが出したソロアルバムの中では一番クオリティ高いです)内容にも関わらず、ライブは行われませんでした。



とはいえ、フロイド脱退以降は、「あともう一押し欲しいなぁ」なんて思う曲が多かったりする中、このアルバムでついにそのモヤモヤが吹っ飛んだ印象を受けます。ジェフ・ベックやスティーブ・ルカサーの力を借りながらも、ロジャー・ウォーターズ節は健在。アルバム自体は暗いテーマながら、「俺たちの知ってるロジャー・ウォーターズが帰って来た!」と思わせてくれる点では、質実剛健なアルバムと言えるでしょうね。
1999年以降のライブで、ロジャーはフロイド時代の曲に混ぜて度々このアルバムの曲(Perfect Sense Part I And II, It's A Miracle, Amused To Deathなど)を披露していますが、歴代フロイド曲と肩を並べても見劣りがしないクオリティなのはさすがです。

もし、ロジャー・ウォーターズのソロアルバムに興味がでてきたら、最初にオススメするのは、このアルバムですね。「死滅遊戯」もっと聴かれると嬉しいですw




このアルバムの代表曲、「What God Wants, Part I」のPVを貼っておきます。ジェフベックが良い仕事してます。動物がたくさん出てきますが、テレビメディアに釘付けになった人々の事を「まるで動物のようだ」と揶揄しているようです。

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