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2014年8月16日土曜日

日が空いてしまった、ヤバいヤバい・・・。(Live At Estadio Nacional, Santiago, Chile On 5th March 2002 (Pre-FM Master) / Roger Waters)

お久しぶりです。本当に久々になってしまいました。6月中旬に留学先から帰国してずーっとばたばたしておりました。更新したい!という気持ちはあったのですが・・・笑

とはいえ、身の回りも少しずつまた落ち着いてきましたし、去年のようにちょくちょくまた定期的な更新が出来そうです。

というわけでお久しぶりの今回のはこの音源をご紹介!


「Live At Estadio Nacional, Santiago, Chile On 5th March 2002 (Pre-FM Master)」  3CD  SBD/A+

Disc 1
1, In The Flesh?
2, The Happiest Days Of Our Lives ~ Another Brick In The Wall (Part II)
3, Mother
4, Get Your Filthy Hands Off My Desert ~ Southampton Dock
5, Pigs On The Wing (Part I)
6, Dogs
7, Shine On You Crazy Diamond (Parts I-V)
8, Welcome To The Machine
9, Wish You Were Here
10, Shine On You Crazy Diamond (Parts VI-IX)

Disc 2
1, Set The Controls For The Heart Of The Sun
2, Speak To Me ~ Breathe (In The Air)
3, Time ~ Breathe (Reprise)
4, Money
5, 5:06 AM (Every Stranger's Eyes)
6, Perfect Sense (Parts I & II)
7, The Bravery Of Being Out Of Range
8, It's A Miracle
9, Amused To Death

Disc 3
1, Brain Damage
2, Eclipse
3, Band Introduction
4, Comfortably Numb
5, Each Small Candle


本音源は、Roger Watersの1999年から続けられてきた世界ツアーから、2002年3月5日、チリはサンティアゴ公演をオフィシャル級の超高音質サウンドボード音源で収録したものになります。この日は現地でFM放送された音源があるのですが、それには煩わしいDJのしゃべりなどが被ってしまっている部分もあるようで、高音質ではあるものの、パーフェクトとはいえなかったようです。しかし、今回ご紹介する音源はPre-FMマスター、つまり放送前の音源をダイレクトに収録しているので、DJのしゃべりなどが一切ありません。最初から最後まで純度100%なライブを楽しむ事が出来ます。

内容ですが、1999年から続くツアーの集大成と言った感じ。2000年のツアーはオフィシャルでライブCD&DVDがリリースされていますが、それを持っている方でもこれは要チェックな音源と言えます。まず、いくつかの曲でボーカルを取っているサポートメンバーが別のメンバーに変更されていたりします。また、Shine On You Crazy Diamondでは、Pink Floydオリジナル版に合わせ、2つにきちんと分割して演奏しています。オフィシャルライブ盤に収録されているバージョンは1つに合体させたアレンジなのでここは要チェックです。同じ2002年には来日ツアーも果たしていますから(現在これが最後の来日となっています笑)、来日公演のブートが入手しにくい現在、このサンティアゴ公演で代用して思い出してみるというのも良いかもしれません笑

次に演奏のレベルですがこれまたすばらしい!先述のShine On You Crazy Diamondの後半部分は、オフィシャルライブ盤では聴けないフレーズがボンボン出てきますし、どの曲も非常にノリノリです。同じ曲でもソロにアレンジが効いていたりして、それまでと比べるとさすがは集大成の年というのが感じられて良いですね。
また、2000年と比べて、2002年のツアーは全体的に曲のテンポが上げ目になっているのですが、この公演でもその傾向があります。個人的にはAnother Brick In The Wall (Part II)はこのくらいのテンポのほうが好きだったりします笑
オーディエンスの盛り上がりもさすがは南米といいますか、大歓声の嵐。特に第二部の2曲目でSpeak To MeのSEが流れ、そのままBreatheに繋がるシーンは凄いです笑

欠点を一応あげるとすれば一部の曲で見られる音のバランス。特に序盤のThe Happiest Days Of Our Lives ~ Another Brick In The Wall (Part II)で顕著なのですが、SEが生の演奏音に比べてめちゃめちゃデカかったり、ギター音がコーラスを圧倒するレベルの音量だったりとかします笑
また、The Happiest Days Of Our Livesの1:23あたりで一瞬だけ音声がモノラルになります。
ただ欠点らしい欠点はこのくらいで、同曲も途中から適正な音のバランスになるので特に気になるような事はありません。

というわけで、お久しぶりのブログになってしまいました。
2002年のサウンドボード音源は他にもブエノスアイレス公演があったりするのですが、それも含めて、この年のサウンドボード音源は最強だなというのを今回のサンティアゴ公演で改めて確認できました笑
Shine On You Crazy Diamondの部分だけでも必聴と言い切っていいでしょう!^^
以下に同公演の音源をYoutubeに発見したので貼っておきます。参考にどうぞ。





2013年5月7日火曜日

The Gunner's Dream

先月4月末に驚きの音源が発掘されました。それはPink Floydを脱退したRoger Watersが、あのEric Claptonをギターに迎えて制作したソロアルバム『ヒッチハイクの賛否両論』のツアーのライブ音源で、1984年7月26日のアメリカはシカゴ公演をSBD音源で完全に収録したものになります。1984年のRoger Watersのソロツアーは、今までAUD録音の音源はいくつも存在していたのですが、SBD音源は今回が初めての登場になるのではと思われます。また、クラプトンがツアーに帯同していたのは1984年までで、翌1985年からの公演については、SBD音源は存在していたものの、クラプトンが参加していないので、今回の音源の登場の重要性がよりお分かりいただけるかと思います笑

当然のごとく、大手ブートレーベルからこの音源が次々と発売されていきました。自分もその中の一つを購入しましたので今日はそのレビューでもしてみたいと思います。



「The Gunner's Dream」  2CD  録音:SBD/A+

Disc 1
1, Intro.
2, Set The Controls For The Heart Of The Sun
3, Money
4, If
5, Welcome To The Machine
6, Have A Cigar
7, Wish You Were Here
8, Pigs On The Wing
9, In The Flesh
10, Nobody Home
11, Hey You
12, The Gunner's Dream

Disc 2
1, 4:30 AM (Apparently They Were Travelling Abroad)
2, 4:33 AM (Running Shoes)
3, 4:37 AM (Arabs With Knives And West German Skies)
4, 4:39 AM (For The First Time Today Part 2)
5, 4:41 AM (Sexual Revolution)
6, 4:47 AM (The Remains Of Our Love)
7, 4:50 AM (Go Fishing)
8, 4:56 AM (For The First Time Today Part 1)
9, 4:58 AM (Dunroamin, Duncarin, Dunlivin)
10, 5:01 AM (The Pros And Cons Of Hitch Hiking)
11, 5:06 AM (Every Strangers Eyes)
12, 5:11 AM (The Moment Of Clarity)
13, Band Introductions
14, Brain Damage
15, Eclipse


僕が購入したのは西新宿のLHで、フロイド専門レーベルであるSigmaレーベルがリリースした『The Gunner's Dream』というタイトルです。まずはその業者の宣伝文から↓。

「ロジャー・ウォーターズがソロとして初めて実施した1984年のツアーから、遂にステレオ・サウンドボードソースが流出しました!ピンク・フロイドの頭脳 ロジャー・ウォーターズの初ソロ・ツアーと言えば、そのプロモート対象となったソロ・アルバム『The Pros And Cons Of Hitch Hiking』同様、友人であるエリック・クラプトンが全面参加したことで当時大きな話題を提供しました。当店でもこのツアーの高音質ステレオ・オーディエンスタイトルをいくつもリリースし、好評を博してまいりました。本ツアーで聴かれたクラプトンのプレイは、全公演で時には主役のロジャーを食ってしまうほどのインパクトを与えた素晴らしいものでしたので、クラプトンマニアにも今なお本ツアーの人気は高い状況です。このたび、突如ネット上にこのツアーから 7月26日のシカゴ公演のステレオ・サウンドボードの完全収録ソースがアップされました。関係者・スタッフからの流出としか思えないものですが、それを逸早くプレスCDでリリースします!さらに本盤には、独自のプロ級マスタリングが施されていることが大きなアドヴァンテージとなっています。ネット上のマスターは元々高音質ながら、若干中音域寄りの音でしたので、中音域を少し落とし、高音域を僅かに上げるマスタリングを施すことによってクリアさが増し、ボー カルが前面に押し出されて各楽器の分離が良くなりました。特にドラムのタムとスネアの音にメリハリがついていることがお判りいただけるでしょう。オフィシャル盤としてリリースされても不思議ではない、極上のサウンドクオリティを獲得しています。ネット音源そのままでは味わえない、当店独自のマスタリング によるグレードアップ盤は、是非とも音に厳しいマニアの方にこそ聴いていただきたいものです。また、マニアならずとも、こよなくピンク・フロイド、ロジャー・ウォータース、エリック・クラプトンの音楽を愛するファンの方々にも聴いていただければきっとご満足いただける内容になっています。このツアーは 第一部がフロイド・ナンバーのオンパレード、第二部が『The Pros And Cons Of Hitch Hiking』の完全再現となっていました。そしてアンコールには、あの『狂気』からのBrain Damage / Eclipseで大団円を迎えるという構成でした。初めて聴くサウンドボードの本盤では、大編成のバックバンドの楽器の音ひとつ一つが粒立ち、ステレオ感の拡がりとともに、この壮大なスケールのパフォーマンスが余すところなく捉えられています。ソロ、オブリガート、スライド・プレイと、ステージ全編におい て多彩な活躍でサポートするクラプトンの演奏の中でも珍しいのは、Wish You Were Hereでローランドのギター・シンセサイザーを使用していたことでしょう。彼はこれに触発されて、翌年の「ビハインド・ザ・サン・ツアー」での Never Make You Cryでもこの楽器、このトーンを流用しました。バックバンドのメンバーは、元キング・クリムゾンのメル・コリンズ、名ドラマー、アンディ・ニューマーク、クィーヴァー、レイジー・レイサーなど古参のブリティッシュ・ロックバンドに在籍した経歴を持つギタリスト、ティム・レンウィックなどを含む実力派の 人たちで固められていました。会場の盛り上がりもピークに達しており、オープニングナンバー終了後には、ロジャーが「No more fireworks please.(花火はやめてくれるかな。)」とアナウンスしているほどです。徹底したリハーサルとメンバーの技量による安定感溢れる演奏をバックに、ロジャーが自分の実力をフルに発揮した伝説のツアーを最高の音質で聴ける本盤は、全フロイドファン、クラプトンファン必携のタイトルです。限定プレスCDゆえ、数に限りがございますので、お早めのオーダーをお願いします。」


 まず音質ですが、宣伝文にある通り、流出ものとは思えない素晴らしい高音質SBD音源です。流出もののライン音源にありがちな、オーディエンスの歓声が小さくて演奏の音もこもりがち、ということは一切ありません。さすがに演奏中の歓声は小さめですが、曲間の盛り上がりは凄まじいです。また、各楽器やボーカルの出力レベルもクリアで迫力があります。曲中に流れるSE(サウンド・エフェクト)が左右に行き来する具合もばっちり捉えられていますし、ブラスやドラム、キーボード、女性コーラスなども音圧十分と言えます。ここまで完璧と言っていい音のバランスから察すると、業者の宣伝文にある通り、本当に内部関係者から流出したものかもしれませんね。

バンドの演奏も素晴らしいです。ライブ構成は、大きく分けて3つの部から構成されています。まず第一部でPink Floyd時代の曲を演奏し、その後20分の休憩を挟んだ後、第二部でソロアルバム『ヒッチハイクの賛否両論』の全曲再現ライブが行われます。そしてその後アンコールで再びPink Floydの曲から、名盤『狂気』に収録されている「Brain Damage」と「Eclipse」の2曲を演奏してライブを〆るといった流れです。
まずあのクラプトンがPink Floydの曲を弾いていること自体が貴重ですが、きちんと自分のものにしてみせています。Ifの曲中で聴かれる彼のアコギソロはソロ途中でオーディエンスの大歓声が上がるほど、素晴らしいプレイです。このライブ最初のハイライトと言って良いでしょうね。また、Wish You Were Hereでは、曲中に彼のギターシンセサイザーを使用したソロがあり、そのために曲の構成を原曲と変えています。あれだけ自分の曲に執拗なこだわりを見せるロジャーが、構成を変更してアレンジを施させているのですから、これはなかなか面白いドキュメントです。また同曲では、イントロと曲中にPink Floydの曲「Paranoid Eyes」のイントロを彷彿とさせるピアノフレーズが付け加えられているのも興味深いポイントでしょう。

クラプトンがフィーチャーされがちですが、やっぱりこのツアーはRoger Watersのソロツアー。主役をきちんとはっています。フロイド時代では考えられなかったようなテンションの高さです。ちょっと怖いくらい笑
Ifの演奏前には、「次の曲はとても・・・、とても静かな曲なんだ」と静かに語りながら演奏を始めます。またIn The Fleshでは、いつも以上に狂気じみたハイテンションキャラを炸裂させ、曲前に「黙れ!!!」とオーディエンスに叫んでいます。歌詞のキャラクターを演じるという意味でかなり役に入ってますね。第二部の『ヒッチハイクの賛否両論』でも、過度気味な歌唱表現がいかにも彼らしいです。まるでささやくような歌い方からスクリームのような甲高い叫び声まで、気持ち悪さと迫力がいつもより2割増です笑
そしてベースのプレイもフロイド時代よりノってますね。In The Fleshなどではフロイド時代にはやらなかった、ベースのトレモロピッキングをしたりしていてご機嫌です。

第二部の『ヒッチハイクの賛否両論』全曲再現演奏については、アルバム制作にクラプトンが参加していたことから彼も慣れていたのか、全体的に第一部よりもさらに引き締まった演奏を聴く事が出来ます。ロジャーのボーカルと女性コーラスが紡ぐ旋律に、クラプトンのブルージーなギターと、King Crimsonにも所属していたメル・コリンズのサックスが綺麗に入り込んできます。「4:33 AM (Running Shoes)」、「4:50 AM (Go Fishing)」、「5:01 AM (The Pros And Cons Of Hitch Hiking)」などは特に聴きごたえがあります。歴代のフロイドのアルバムと比べて酷評されがちなこのアルバムですが、歴史的名盤とまでは行かなくとも十分良作だと自分は思うんですがね・・・。

アンコールの「Brain Damage」と「Eclipse」の2曲は感動の大団円です。会場の盛り上がりもピークに達しています。サウンドも原曲に近い音作りで、SEもばっちり効いてます。ロジャーも曲中で不気味に笑ったりと愛嬌たっぷり?です笑
素晴らしい〆と言えるでしょう。演奏終了後、クラプトンがロジャーの名を紹介してライブは終了します。

なお、Pigs On The WingとIn The Fleshの曲間にカットがあるようですが、聴く分にはなんの問題もありません。またNobody Homeの40秒過ぎに一瞬ノイズが乗ります。欠点らしい欠点はこのくらいでしょうか。


そして冒頭で述べたようにこの音源は複数のブートレーベルがリリースしています。最初に発売したのは、西新宿BFでおなじみ、クラプトン専門レーベルであるMid Valley。こちらは6800円と割高ですが、スリップケース付きの厚型プラケースにプレスのピクチャーディスクでカードが2枚付いているようです。もうひとつはHighlandレーベル。こちらはプログレ系のバンドを中心にリリースしているレーベルですが、CD-Rでのリリースです。基本的にこっちは無視してしまって良いでしょう。

ちなみに自分が今回購入したSigmaレーベルの本タイトルは、ナンバリング入りステッカー付のプレスCDで3800円でした。しかもおまけとして、同ツアーにクラプトンが参加した最後の公演である、1984年7月31日のカナダはケベック公演を業務用のタイムカウンターが入った状態でプロショット収録したDVD-Rと、2004年のスマトラ沖地震のためのチャリティー番組で、ロジャーとクラプトンが共演して「Wish You Were Here」を演奏した際の番組リハーサルを収録したDVD-Rがもう1枚付いてきました。ケベック公演の画質はお世辞にも良いとは言い難いですが、このツアーのプロショット自体が他に存在しないと思われるので、30分ちょっとの収録とはいえ貴重です。『ヒッチハイクの賛否両論』の曲では、演奏に合わせてバックスクリーンに様々なアニメーションが投影される様子も確認できます。そして、2004年のチャリティー番組のリハーサルを収録したもう1枚のボーナスDVDは、冒頭で所々音声のみの収録になっているところが少しありますが、基本的には良好な画質と音質で、途中で演奏を辞めてしまったテイクも含めて、計5回ほど演奏が試みられている様子がプロショットで捉えられています。中にはイントロのワンフレーズだけでロジャーが演奏を止めてしまったりするテイクもあり、寡黙に引き続けるクラプトンとの対比が印象的です。またこの二人、リハ中ほとんど口を利いていないのですが、最後の方でノってきたのか、ちょっとジャムっぽいことを一瞬やろうとしたりしていて、よく見ているとなかなか面白いですよ。

というわけで、限定生産ではあるものの、より安価なのに同じくプレスCDで、しかもおまけも充実しているので、もしSigmaとMid Valleyどっちかで迷ったらSigmaレーベルの方をお勧めしておきます。ジャケもよりセンスがあるような気もしますし。とはいえ、どちらも大手なブートレーベルなので、Mid Valley版でも買って失敗したと思うことはないかと。フロイドファン、クラプトンファンともにおすすめですよ!^^


 「Lunatic Rave」(Mid Valley版のジャケです)


2012年10月7日日曜日

In The Flesh

久々のブログ更新になります。申し訳ありません。大学も後期日程が始まり、再び忙しくなっていきそうです。
そんな近況ですが、本日は、Roger Watersのブートを一つご紹介。


「In The Flesh」  2CD  録音:AUD/A+

Disc 1
1, In The Flesh
2, The Thin Ice
3, Another Brick In The Wall, Part I
4, Mother
5, Get Your Filthy Hands Off My Desert
6, Southampton Dock
7, Pigs On The Wing. Part.1
8, Dogs
9, Welcome To The Machine
10, Wish You Are Here
11, Shine On You Crazy Diamond
12, Breathe
13, Time
14, Breathe (Reprise)
15, Great Gig In The Sky

Disc 2
1, Money
2, Every Strangers Eyes
3, The Powers That Be
4, What God Wants, Part I
5, Perfect Sense, Part I
6, It's A Miracle
7, Amused To Death
8, The Happiest Days Of Our Lives ~ Another Brick In The Wall, Part Ⅱ
9, Brain Damage
10, Eclipse
11, Comfortably Numb


1999年から2000年にかけて、突如Roger Watersは久々のツアーを行いました。ロジャーがツアーを行うのは実に1987年の「Radio K.A.O.S.」ツアー以来12年ぶり。ギルモア主導のフロイドとの裁判で事実上敗訴したことによって、権利関係上思うようにフロイドの曲を演奏できなかったり、ソロアルバムのセールスが散々な結果だった為にツアーも実施できなかったロジャーでしたが、ギルモア達とある程度和解したためでしょうか?1999年以降は、演奏する曲も含めてかなりの復活を見せます。


本ブートは、その1999年のライブから7月23日のミルウォーキー公演を収録したタイトルになります。このツアーはのちに「In The Flesh」(同じ名前でわかりにくい笑)というタイトルで2000年6月27日のオレゴン公演がオフィシャル発売されましたが、そのライブとは、セットリストやアレンジが大きく異なっているのがセールスポイントでしょう。例えば、1992年に発売された「死滅遊戯」の収録曲What God Wants, Part Iは、オフィシャルライブ盤では演奏されていませんが、本ブートでは収録されています。また、Pink Floyd時代の曲のでもTimeなどはオフィシャルライブ盤ではロジャーがボーカルを取っているものの、このブートでは、ギター担当のドイル・ブラムホールⅡ世が歌っています。他には、Great Gig In The Skyもオフィシャルライブ盤では収録されていませんね。これまたレアです。


このようにオフィシャルライブ盤の「In the Flesh」と同じツアーであっても、異なるアレンジが随所で味わえたりするので聴き所は多いブートですが、、逆に言うと「完全にアレンジが定まっていない」ということです。要所要所で、ミスが散見されます。上で述べたWhat God Wants, Part Iもギターが入りで音を外しちゃってますし、ロジャー本人もThe Happiest Days Of Our Lives ~ Another Brick In The Wall, Part Ⅱの流れでベースとボーカル両方とも一部音を外しちゃったりしてます。


音質に関しては、録音レベルが小さかった為かボリュームをいつもより大きくする必要があるものの、かなり良好なオーディエンス録音です。どの楽器も音が割れる事なく綺麗に収録されています。強いて言えば、もうちょっと低音がほしかったかな・・・笑


というわけで、まだツアー序盤で慣れていないバンドの感じが伝わってはきますが、2時間半近いライブを高音質オーディエンス録音&プレスCDで楽しめ、またオフィシャルライブ盤では聴く事が出来ない曲が収録されていることを考えれば、おすすめと言えます。ショップでもかなり安く投げ売りされてることが多いので、入手も容易でしょう。



2012年8月21日火曜日

PROJECT KAOS

今回は、Roger WatersがPink Floydを脱退してからのソロにおけるライブブートでもご紹介しましょうかね。


「PROJECT KAOS」  3CD-R  録音:AUD/A+

Disc 1
1, Introduction (With Jim Ladd)
2, The Firm - Radioactive
3, Call From The Hall (1)
4, Club Nowhere
5, Call From The Hall (2)
6, Paul Carrack - Tempted
7, Radio Waves
8, Welcome To The Machine
9, Who Needs Information
10, Money
11, Professional Bimbo School
12, In The Flesh
13, Have A Cigar
14, Pigs(3 Different Ones)
15, Wish You Where Here
16, Mother

Disc 2
1, Mollys Song
2, Me Or Him
3, The Powers That Be
4, Intermission with Jim Ladd
5, Calls To Roger
6, "Shredding Alternative" Advertisement
7, Going To Live In LA
8, Sunset Strip
9, Fish Report With A Beat
10, Take Your Filthy Hands Off My Desert
11, Southampton Dock
12, Arnold Layne Video
13, If
14, Every Strangers Eyes
15, Not Now John
16, Another Brick In The Wall, Part I
17, The Happiest Days Of Our Lives
18, Another Brick In The Wall, Part II
19, Nobody Home

Disc 3
1, Home
2, Four Minutes
3, The Side Is Turning
4, Thank You
5, Breath(In The Air)
6, Brain Damage/Eclipse (ここまでが本編ミルウォーキー公演。以下ボートラ)
7, 5:01 AM(The Pros And Cons Of Hitch-Hiking)-Roger Waters Vocals
8, Set The Controls For The Heart Of Sun
9, Breath(In TheAir)/The Great Gig In The Sky-Clare Torry Vocal
10, I Can Tell(Bo Diddley Cover)
11, 5:01 AM(The Pros And Cons Of Hitching)-Paul Carrack Vocals
12, Billy's Blues(Waiting For The Drummer)
13, Outside The Wall-Guest Vocals John Joyce, Jim Haas & Joe Chemay


ブートタイトルと緑が目立つジャケからもお分かりの通り、このブートは、以前こちらの記事でご紹介した1987年のソロアルバム「Radio K.A.O.S.」に伴うツアーのブートです。オーディエンス録音で11/13のミルウォーキー公演を完全収録してあります。さらにボーナスとして同ツアーの他のライブでの音源を全てオーディエンス録音で収録してあり、これ一つでツアーの全貌を楽しむ事が出来るボリューミーな内容となっています。このツアーのブートはほとんど発掘されていないようなので、ありがたいですね。

そして気になるのはその音質ですが、本編のミルウォーキー公演・ボーナストラック共に素晴らしい高音質です。Another Brick In The Wall, Part IIなどで一瞬音が片方のチャンネルに寄ったりする事がありますが、基本的には終始安定したサウンドでライブを聴く事が出来ます。ボーナスのBilly's Blues(Disc3-12)のみ、ちょっとオーディエンスの歓声に演奏が埋もれがちですが、それでも十分聴ける範囲です。


では、ショー自体はどのように進められたかというと、架空のラジオ局Radio K.A.O.S.のDJという設定の人物、ジム・ラッドがあたかもラジオ番組を放送しているかのような演出でライブが行われました。アルバムストーリーにおける主人公ビリーとの電話のやり取りを演じるシーンがあったり、実際に観客の中から人を選んでステージ上でインタビューを行ったり、視聴者からのリクエストという設定で全く別のアーティストの曲を流したり、CMが途中に入ったり・・・といった具合でかなり凝った演出だったようです。実際聴いていると随所にDJジムのトークが入りますし、ロジャー達のライブ演奏もジムの曲紹介があったりします。個人的に面白かったのはフロイドのデビューシングル「Arnold Layne」が会場に流されたこと。どうやらPVが会場に流されたようで、観客も沸いてます。


こうして聴き所満載なライブなのですが、いかんせん演出の都合上かなり長尺のライブ(130分以上)となっています。しかもロジャーたちの演奏以外の箇所(DJジムのしゃべり、リスナーとのトーク、インタビュー、視聴者リクエストなど)がかなり多く、はっきり言ってロジャー達の演奏のみを聴きたい方にとっては少々退屈に感じられるところがあります。このブートをリリースしたAyanamiレーベルは、きちんとそこらへんをトラックで区切ってくれてますので、演奏と直接関係ないところは飛ばしてしまっても良いでしょうね。
そして、「いかにも」な80年代ロックサウンドにアレンジされているフロイド時代の曲も一部ありますが、そこは個人の好みでしょうかね。


とはいえ、壮大なステージをフルで高音質収録している功績はデカいです。結構フロイド時代の曲もプレイしてますので、ソロとフロイド時代の曲がうまい具合に組み込まれたセットリストはお腹いっぱいになれると思いますよ^^
ボーナストラックもあのボ・ディドリーのカバーなど超レアな音源ばかり!CD-Rという点を除けば、かなりクオリティの高いブートですので、個人的にはオススメです。


2012年8月6日月曜日

In The Flesh

ほい!Roger WatersのアルバムBOX解説もついに第4弾まで来ました。今回は、そのBOXに収録されている「In The Flesh」というライブCD(DVD)をご紹介!!



「In The Flesh」  2CD(同名作品でDVDもあります)

Disc 1
1, In The Flesh
2, The Happiest Days Of Our Lives
3, Another Brick In The Wall (Part II)
4, Mother
5, Get Your Filthy Hands Off My Desert
6, Southampton Dock
7, Pigs On The Wing, Part I
8, Dogs
9, Welcome To The Machine
10, Wish You Were Here
11, Shine On You Crazy Diamond
12, Set The Controls For The Heart Of The Sun

Disc 2
1, Breathe (In The Air)
2, Time
3, Money
4, The Pros And Cons Of Hitch Hiking Part 11 (Aka 5:06 AM - Every Stranger's Eyes)
5, Perfect Sense (Part I And II)
6, The Bravery Of Being Out Of Range
7, It's A Miracle
8, Amused To Death
9, Brain Damage
10, Eclipse
11, Comfortably Numb
12, Each Small Candle



以前、この記事でご紹介したように、ロジャーは「Radio K.A.O.S.」と「死滅遊戯」における連続セールス失敗のショックから、ツアーに出る事をためらっていましたが、1999年、突如ツアーに出る事を発表します。今作はその「In The Flesh」と名付けられたツアーから、2000年6月27日、オレゴン州はポートランドでのライブを収録したものです。


まず目を引くのがそのセットリスト!ソロアルバムの曲はもちろん、Pink Floydの曲が目白押しです。全24曲で2時間半はあるお腹いっぱいのセットリストですね。しかも取り上げているフロイドの曲が、有名曲はもちろんのこと、マイナー曲までまんべんなくやってくれているのです!デヴィッド・ギルモアのソロライブだと、彼は有名曲しかやりませんから、これは貴重です。「Final Cut」の曲をプレイするのはロジャーだけでしょうし、「太陽賛歌」や「Welcome To The Machine」、「Dogs」などがプレイされているのもポイント高し!
そして、ギルモアのライブとよく対比されるのがその演奏レベルですが、このライブ盤では、そこもギルモアに負けていないと思います。ギターにはフロイド時代からおなじみのスノーウィ・ホワイト、クラプトンのツアーにも参加している凄腕イケメンギタリストのドイル・ブラムホール2世、さらにはあの名人アンディ・フェアウェザー・ロウがギターとベース両方で参加しています。「Comfortably Numb」では、後半の長いギターソロで、スノーウィー・ホワイトとドイルの壮絶なギターソロバトルが楽しめます。ギルモアはここを一人で全部弾いちゃう訳ですが、2人で弾き分けるというロジャー版のアレンジも悪くないですよ!
ソロアルバムの曲もセトリの所々に良いタイミングで入ってます。3人組の女性コーラス隊がいい味出してますよ〜。やっぱロジャーのライブにコーラス隊は必須ですな。総勢10人での演奏は、サウンドも豪華。

個人的に不満はほとんどないのですが、強いて言えば、ロジャー・ウォーターズにしてはステージのバックスクリーンに映す映像がかなりシンプルでちょっと見ずらいことことですかね。フロイド時代やこの後のソロツアーにおける視覚効果の凄さを考えるとちょっとシンプルかも・・・。とはいえ、そのぶん演奏に集中できるという点は良いのかもしれません。


ギルモアのとは違う「もうひとつのフロイド」を堪能出来るという意味でも良いですし、純粋に「ロジャー・ウォーターズ」個人としても非常に充実してるライブ作品と言えるでしょう。オススメ!

最後にこのライブでの「Another Brick In The Wall (Part II)」を貼っておきます。良い演奏ですよ^^



2012年8月4日土曜日

Amused To Death

はい、てなわけでRoger Waters Album Collectionの解説どんどん行っちゃいます!今日は彼が1992年に発表したアルバム「Amused To Death」をご紹介!



「Amused To Death」(邦題:死滅遊戯) リリース:1992年


いんやぁ、すんごいタイトル・・・ww
Pink Floydというバンドもそうですが、デヴィッド・ギルモアのソロ作品も含めてなぜか厨二病みたいな邦題が多いような気がしますw
ただ、このロジャーのアルバムに関しては原題とそれほど離れていないので上手い訳し方だなぁと担当の方のセンスを感じますね!

アルバムの内容はというと、相も変わらずロジャー大先生のアルバムですからものすごく暗い内容です。テーマは『TVというメディアは、当時の天安門事件や湾岸戦争などに代表される多くの政治・社会問題をエンターテインメント化してしまった。人々はテレビを通じて戦争を「観戦」する。結局人々は遊び尽くして滅びるのだ。』というもので、テレビ(メディア)が社会にもたらした弊害と一般人のその姿勢をを痛烈に批判しています。このコンセプトはかなりの高評価を得たようで、「(フロイド時代の)The Wall以来の傑作」とも評されました。実際、ロジャー自身もかなり手応えを感じていたらしく、「このアルバムが200万枚売れたら世界ツアーを開始する」との声明を発表。

さらにこのアルバム、あのジェフ・ベックがギターで全面的に参加しております。これが超効いてる!アルバムの質を飛躍的に上げていますね。2曲目「What God Wants, Part I」などに代表される彼のギタープレイはさすがの一言です。不安げな曲調からハードロックな曲までロジャーの表現欲求に見事に応えている気がします。こうして見ると、「ヒッチハイクの賛否両論」におけるクラプトンの採用もそうですが、ロジャー・ウォーターズという人の人脈にはホント驚くばかりです。



と、まぁここまでは良い事ずくめのようなんですが・・・。

やはり、というべきかセールスが・・・。上にも書いたようにロジャー本人は200万枚ほど売れる事を期待していたのでしょうが、実際は1/4の50万枚ほどだったそうです。当然のごとく、ツアーはお預け。極めて質の高い(事実ロジャーが出したソロアルバムの中では一番クオリティ高いです)内容にも関わらず、ライブは行われませんでした。



とはいえ、フロイド脱退以降は、「あともう一押し欲しいなぁ」なんて思う曲が多かったりする中、このアルバムでついにそのモヤモヤが吹っ飛んだ印象を受けます。ジェフ・ベックやスティーブ・ルカサーの力を借りながらも、ロジャー・ウォーターズ節は健在。アルバム自体は暗いテーマながら、「俺たちの知ってるロジャー・ウォーターズが帰って来た!」と思わせてくれる点では、質実剛健なアルバムと言えるでしょうね。
1999年以降のライブで、ロジャーはフロイド時代の曲に混ぜて度々このアルバムの曲(Perfect Sense Part I And II, It's A Miracle, Amused To Deathなど)を披露していますが、歴代フロイド曲と肩を並べても見劣りがしないクオリティなのはさすがです。

もし、ロジャー・ウォーターズのソロアルバムに興味がでてきたら、最初にオススメするのは、このアルバムですね。「死滅遊戯」もっと聴かれると嬉しいですw




このアルバムの代表曲、「What God Wants, Part I」のPVを貼っておきます。ジェフベックが良い仕事してます。動物がたくさん出てきますが、テレビメディアに釘付けになった人々の事を「まるで動物のようだ」と揶揄しているようです。

2012年8月1日水曜日

Radio K.A.O.S.

ほい!今日は前日に引き続き、Roger WatersのAlbum Collection (BOX)に収録された作品の紹介をしていきます。今回はフロイド脱退後のソロ作品としては2作目にあたる「Radio K.A.O.S.」ですね。


・「Radio K.A.O.S.」 リリース:1987年


 えー、突然ではありますが、まずこの作品を語る前に前作「ヒッチハイクの賛否両論(1984年)」以降の彼の活動を考えなければなりません。ロジャーは1986年に「When the Wind Blows(邦題:風が吹くとき)」という絵本をアニメ映画化する際に、そのサウンドトラックを担当しています。主題歌はDavid Bowieが手がけたようです。

 そしてこのアニメ作品のストーリー自体がかなり深刻なものであり、「主人公は、イギリスの片田舎で静かな年金生活を送っている老夫婦のジムとヒルダ。しかし、世界情勢は日に日に悪化していき、ある日核戦争が勃発する。二人は政府が発行したパンフレットに従って、保存食を用意しシェルターを作るなどの準備を始める。そして突然、ラジオから3分後に核ミサイルが飛来すると告げられる。命からがらシェルターに逃げ込んだ2人はなんとか難を逃れるが、放射線が徐々に2人を蝕んでいく。政府からの救援が来ると信じてやまない彼らは、互いを励まし合いながらも次第に衰弱していく」というものです(Wikipediaより抜粋)。

 このアニメ作品における彼の音楽活動は、彼のソロアルバムに強く影響を与える事となりました。元々「Animals」以降のフロイドにおいて、政治的メッセージを作品に織り込むのがロジャー曲の特徴でしたが、これ以降はその傾向がますます強くなっていきます。


 その結果作られた本作品「Radio K.A.O.S.」は、前作とは違って政治的主張の強いコンセプトアルバムとして完成しました。アルバムストーリーは、「身体的障害を生まれつき持った青年ビリーは、双子の兄に支えられて暮らしてきたが、ある日、兄が殺人事件で命を落としてしまう。悲しみに暮れるビリーは叔父のところへ預けられて生活する事になったが、そこで自分は世界中のラジオ電波と交信できるという超能力を持っている事に気づく。そして様々な電波と交信していくうちに、電波を利用して人々をコントロールしようと企む権力者の存在をも知ってしまう。ビリーは、「Radio K.A.O.S.」という名の架空のラジオ局が様々な革新的な試みを行っている事を知り、彼らにコンタクトをとって権力者の陰謀に立ち向かうのだった・・・」というかなりぶっ飛んだものであります。


 こうして見てみると、フロイド在籍時代や前作「ヒッチハイクの賛否両論」で培われたコンセプトアルバムというお得意の形を土台に、「風が吹くとき」のサントラ製作の影響である政治批判というメッセージ性を上手く昇華して乗っけているのが分かります。自身の完全なソロ作品ではないですが。「風が吹くとき」の続編と捉える事も出来ない訳ではありません。


 しかし、サウンドに関しては従来の彼の作品とは一線を画すものになっているのが特徴です。1曲目からシンセサイザーのデジタルシーケンスが飛び出します。これにはラジオ媒体という作品テーマと当時の音楽シーンの影響が如実に表れています。そのサウンドのせいか、ポップな曲もいくつかあり、おそらくというか確実にロジャーのソロ作品の中では唯一ポップな作品と言えるでしょうねwww
おっ!と思える良曲もいくつかあります。個人的には「Radio Waves」、「Who Needs Information」、「The Tide Is Turning (After Live Aid)」などがオススメです。


 とはいえ、あまりに難解なテーマ(歌詞だけではリスナーが理解できないため、ロジャー本人がブックレットに作品の解説をつけたほど)や、サウンドとは対照的な暗く重い内容が災いしたのか、アルバムセールスは散々たる結果となりました。同時期にロジャー以外のメンバー(デヴィッド・ギルモア、リック・ライト、ニック・メイスン)がPink Floydを再始動させてニューアルバム「鬱」をリリースし、その売り上げ対決が注目されていましたが、勝負にすらならないほど・・・。両者はライブツアーの観客動員数でも勝負しましたが、新生フロイドの圧勝に終わります。結果、これが相当にショックだったらしく、ロジャーは1999年までツアーに出る事を止めてしまいました。


 うーん、たしかに身体障害を持った青年という設定はThe Whoの「Tommy」に通じるところがあるし、ストーリーが大味な気もしなくはないですが、サウンドだけ見たら、まぁ割ととっつきやすいほうだとは思うのですが・・・。曲のクオリティも決して悪くないと思うし、もう少し評価されても良いのでは・・・?

Roger Waters Album Collection : The Pros And Cons Of Hitch Hiking

本日は、最近購入したRoger WatersのアルバムBOXのレビュー何ぞをやってみたいと思います。このBOX自体は去年発売されたものなので、そこまで目新しいものでもありませんが、いかんせん収録されたブツたちのボリュームがものすごいので、結構ネタになりそうな感じです。



はい、まずこんな外観です。そしてこのボックスを開けると・・・?




こんな内容になってます。彼がPink Floyd脱退後にリリースした4枚のソロアルバムと2000年に行ったツアーを収録したライブCDとDVDが収録されています。全部で7CD+1DVDという大盤振る舞いです。そして、なにより気になるのはその価格!なんとこれだけ収録してあって3000円以下で購入できます!タワレコなどの大型CDショップで買おうとすると7000円くらいの値段がしたはずなので、amazonなどのネットショップを利用する事をおすすめします。実際、本国イギリスやアメリカでは日本円に換算して2000円〜3000円ほどで売られているようなので、amazonなどの方が正規の値段に近いってことですね。
では、収録アルバムを見ていきましょう。今回は写真の2段目中央に写っているアルバムからご紹介します(左上に写っているのはCDではなくBOXのブックレットなので関係ないです)。


・「The Pros And Cons Of Hitch Hiking」(邦題:ヒッチハイクの賛否両論) リリース:1984年


このアルバムは、ロジャー・ウォーターズがフロイドを脱退後、最初にリリースしたソロアルバムとして有名です(彼のソロアルバムの処女作自体はフロイド在籍時の1970年に発表した「肉体(ボディ)」という作品です)。録音にはあのエリック・クラプトンがギターで全面的に参加しており、アルバムでも随所に彼の味あるギターフレーズを聴く事が出来ます。特にアコギでそれが顕著ですね。スライドギターが生々しいです。

そんなアルバムですが、内容ははっきり言って結構暗いです。まぁ、ロジャー・ウォーターズはフロイド末期からその傾向が顕著でしたが、それをもっと暗くした感じです。このアルバムコンセプトは「精神を患った青年が午前4:30から5:11の間に見る夢を聴き手と同時進行に表現する」という難解なものであり、決して心地よい朝を迎えられそうな内容ではありません・・・。 実はこのアルバムには裏話があり、フロイド在籍時、「Animals」ツアーを終えて次のアルバム制作に取りかかった1979年、ロジャーは次回作のアルバムコンセプトとしてこの「ヒッチハイクの賛否両論」と「The Wall」二つの案をメンバーに提示しています。結果的に「The Wall」案の方が採用され、それは後期フロイド最大のヒット作としてロック史に名を残す事になりました。そんなある意味「ボツ案」を再び掘り起こして自分のソロアルバムとしてリリースした訳です。よっぽど本人が気に入っていたようですね。

サウンドはロジャーのソロアルバムにはおなじみですが、女性コーラス隊やSEを随所にちりばめながら、耳元でささやくようなロジャーの不気味なボーカルが響いてくる感じで、そこにクラプトンのギターを中心とした楽器隊が上手く乗っかっています。これはさすがといったところ。後にロジャーが出す別のソロアルバム「死滅遊戯」におけるジェフ・ベックの起用もそうですが、ロジャーは、名ギタリストの味を壊す事なく自分のアルバムコンセプトを忠実に再現させるのが上手いなぁと僕は感じます。やはりこれはフロイド時代にデヴィッド・ギルモアという名ギタリストと常に一緒にいた事も関係しているんでしょうかね?アルバム全体を包むどんよりとした雰囲気を上手くクラプトンのギターが手伝っています。そして同時にこれらの暗い曲達をなんとかギリギリメロディアスなものにしているのもクラプトンによるところが大きいです。ポップさははっきり言って皆無ですが、まぁ、ロジャー・ウォーターズのソロアルバムにそんなものを求めている人もまずいないでしょう。

各曲のクオリティは、ロジャーのソロアルバムにありがちな「酷い駄曲も見当たらない代わりにこれといって抜きん出た良曲もないかなぁ」という感じです。というよりアルバム全体で見た時の構成力の高さが凄いという感じで、個々の楽曲ではそもそも勝負すらしていないような印象すら受けます。実際全部聴き終えてみると、アルバムの内容上、少々疲れは感じるのですが、映画を一本見終わったような充実感を感じますwww


フロイドの有名アルバムを一通り聴いて、メンバーのソロ活動にも興味がでてきたら、おすすめですね。特にコンセプトアルバムが好き!という方には、ロジャー・ウォーターズは決して外せないアーティストの一人と言えます。